桐生選手と「よ~いドン」 小学生ら大歓声
東京2020オリンピック・男子4×100㍍リレー日本代表、桐生祥秀選手(27)による、かけっこ教室が2日、和歌山県海南市大野中の総合体育館で開かれた。主に県内の小学生113人が参加。子どもたちは憧れの選手との交流に目を輝かせた。
教室は、子どもたちに体を動かす楽しさや夢、感動を届けようと、日本生命保険相互会社和歌山支社が主催。2018年から全国各地で開かれ、今回が37回目。県内では初開催となった。
桐生選手は16年のリオデジャネイロ五輪4×100㍍リレーで銀。17年に日本人初の9秒台を記録し、ことし10月のアジア大会4×100㍍リレーでも銀メダルを獲得している。
教室で桐生選手は「下を向かず前を向いて走ることが大切」などと指導。子どもたちは11列に分かれ、目を閉じた状態からホイッスルの音で走り出す練習などで汗を流した。抽選で選ばれた10人は桐生選手と共に走り、子どもたちは「めっちゃ速い」などと歓声。会場は終始笑顔に包まれた。
準備運動には、桐生選手自身が普段取り入れているメニューを採用。足を着地と同時に入れ替える片足ジャンプなどを行った。教室の最後には桐生選手が一人ひとりに「ありがとう」と声をかけ、シューズケースを手渡した。桐生選手は、子どもたちは元気がよかったと笑顔。「走ることはどのスポーツにおいても原点だと思う。この活動をして6年目になるが、後々教室に参加した選手と試合で出会えるのを楽しみにしている」と話した。
紀の国アスリートクラブで100㍍などに取り組む、浜宮小学校5年生の白樫実祈(みのり)さん(11)は桐生選手に憧れているといい、「(桐生選手は)思っていたより背が高く、速かった。大きく腕を振ることなどを教えてもらったので、1番になりたい」と意気込んだ。
質問形式でトークショーも開催。桐生選手は「足が速くなるには、みんなよりも練習すること」と伝えた。小学生時代はサッカーに取り組み、兄や友人の影響で中学から陸上を始めたこと、焼き肉が好物であることなども話した。アジア大会で獲得した銀メダルに参加者が触れられるサプライズもあり、子どもたちは首に掛けて写真を撮るなど笑顔だった。