小中学生の体力テスト 県は全国平均超え
和歌山県教育委員会は、小学5年生と中学2年生を対象に行った2023年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果を公表した。県の体力合計点は小中の男女とも全国平均を上回り、中学女子を除いて前年度の点数も上回る回復基調にあるが、コロナ禍前の水準には至っていない。
調査は4~7月に実施し、小学5年生7115人(227校)と中学2年生6317人(125校)が参加。握力、上体起こし、50㍍走、立ち幅跳びなど8種目、各10点の計80点満点で点数化した。
調査結果は、小学生男子が53・12点(全国平均52・60点)で、前年度比0・49点上昇。小学生女子は55・01点(同54・29点)で0・40点上昇。中学生男子は41・70点(同41・18点)で0・47点上昇。中学生女子は47・46点(同47・08点)で0・01点低下。小学生は男女とも11期連続、中学男女は5期連続で全国平均を上回った。
コロナ禍前の19年度調査では、小学生男子54・20、同女子56・32、中学生男子41・88、同女子51・04で、いずれも23年度より高い点数だった。コロナ禍に伴う生活習慣の変化などによる低下から、まだ回復していないとみられる。
種目別で全国平均より低かったのは、小学生が男女とも50㍍走、立ち幅跳びの2種目。中学生は、男女とも下回ったのが20㍍シャトルラン、持久走、50㍍走、立ち幅跳びの4種目で、女子は握力も下回った。
生活習慣の状況調査では、22年度に比べて睡眠時間に回復傾向がみられた一方、肥満の割合(小5男子は除く)、朝食の欠食、スクリーンタイム(ゲームなど映像の視聴時間)が増加。運動に対する意識では、体育が楽しいと回答した児童生徒の割合が、中2女子を除いて増えた。
県教委は調査結果から、小学生は男女ともスピード、瞬発力、中学生は男女ともスピード、瞬発力、全身持久力、同女子は筋力に課題があり、運動する子とそうでない子の二極化もみられると分析。今後は、体育の授業のさらなる充実に取り組み、各市町村・学校の「体力アッププラン」による着実な実践と検証を進めるとしている。