県が仕事始め式簡素化 健全な職場環境へ

和歌山県は5日、2024年の仕事始め式を県庁正庁で行い、岸本周平知事が本庁の部長・次長級の幹部職員約50人を前に訓話した。職員の業務改善の一環で、例年は新年の開庁初日に県民文化会館に800人規模が集まって行っていた式典を取りやめ、2日目に簡素化した形での実施となった。

岸本知事は訓示の冒頭、1日に発生した能登半島地震の対応のため、正月休みを返上して業務にあたった関係職員をねぎらい、「私たちは、いったん事あるときには、家族が被災していても、それぞれの持ち場で働かなければならない。公務に従事するということはそういうこと。パブリックな仕事を選んだ初心を思い出して、県庁の職員として誇りを持って働いていきたい」と話した。

その上で、災害時に100%のパフォーマンスを発揮するためにも、職員が心身ともに健全で、明るく、楽しく働くことが大切と強調。職員へのお願いとして、育児や介護などで急用ができ、仕事を早退する場合に、「すみません」という言葉は言わず、上司も言わせず、当たり前に帰れるようにすることを求めた。

また、職員に対してさまざまな指示をしてきたことについて、「昭和のマインドであることを痛感した。反省しきりだ」と述べ、「ことしは皆さんが自分たちで政策や業務改善を話し合って、令和の感性で決めて、私に相談に来てもらいたい」と呼びかけた。

幹部職員に訓示する岸本知事㊨

幹部職員に訓示する岸本知事㊨