大切な文化財を守れ 温山荘園で消防訓練
26日の「文化財防火デー」を前に、海南市消防本部(山田量也消防長)は24日、海南市船尾の琴ノ浦温山荘園で消防訓練を行い、連携を図った。
文化財防火デーは、1949年1月26日に法隆寺(奈良県)の金堂壁画が火事で焼損したことを受けて定められた。
文化財の愛護や市民の文化財防火意識を高めてもらおうと実施。同園は、2010年に建物が国の重要文化財、庭園が国の名勝に指定されている。
訓練には、ポンプ車やタンク車、救急車などの車両5台と、同園職員や同市教育委員会、海南市消防団黒江分団など33人が参加。
関係者のたき火の不始末から火災が発生、園内の茶室に延焼の恐れがあるとの想定で行われた。
茶室の園庭から煙が上がっているのを職員が発見し、119番通報。その間に消火器で初期消火を行った。駆け付けた消防隊らが茶室前の池に沿ってホースを延長しながら茶室に近づき、放水し鎮火を確認した。
また、活動中に職員が転倒し負傷したとして、消防隊員が負傷者を見つけ、救急隊員に引き継ぐ訓練も行った。
同園の上田敦理事管理人は「同園は火災報知機は設置しているが、放水銃などの消火設備がない。消防車が到着するまで職員で初期消火を行わなければならないので一同、意識高く訓練を続けていきたい」と話し、消防本部の北口速三署長は「各隊が役割をこなし、良かった。地域の大切な施設、後世に残していくため、それぞれ共通の目標を持って取り組んでいきたい」と話した。