岩出3小で「やまなし」上演 那賀高演劇部

和歌山県立那賀高校演劇部は、岩出市立岩出小学校(同市清水)で宮沢賢治の童話『やまなし』の演劇を6年生に披露した。部員は心を込めた演技で作品の独特な世界観を表現。6年生は事前に国語科で学んだ難解な作品への理解を深めた。

同部は演劇で地域の小学生を楽しませることなどを目的に、毎年市内の小学校で『やまなし』を演じている。8年目となる本年度は1、2年生の部員8人が岩出小と山崎小、中央小の3校で行い、岩出小では6年A、B組の57人に披露した。

演劇はナレーションとともに進行。川で暮らすカニの兄弟による正体不明の「クラムボン」についての会話で始まり、カニ役の部員は「クラムボンは笑ったよ」「クラムボンは死んだよ」などと印象的な場面を演じた。

鉄砲玉のようなものが魚をさらう場面では、兄弟がおびえる様子を熱演。カニの親子が川に落ちてきた「やまなし」の匂いにつられる様子も細かく表現した。

魚などの自作した道具を使い、照明などの効果も工夫し、作品の世界を児童らに伝えた。

部長の西本穂乃果さん(17)は「宮沢賢治の世界観は難しいので、視覚的に分かりやすく感じて理解を深めてほしい」とし、「演劇に少しでも興味を持ってもらえたらうれしい」と話した。

B組の古井桜奈(さな)さん(12)は「分かりやすくて見やすく、教科書で学んだ時よりもイメージが湧いた」と振り返っていた。

 

『やまなし』を披露した那賀高校演劇部