春日野部屋力士と対戦 大野小で相撲大会

和歌山県海南市山田の大野小学校体育館で25日、相撲大会が開かれ、まわしを着けた小学生らは、春日野部屋に所属する地元ゆかりのゲスト力士との触れ合いや、トーナメント試合を楽しんだ。

同イベントは、同市内小学校の学童保育の現状を知ってもらい、行政と民間企業、地域住民で子育てに取り組む環境をつくり、同市をさらに発展させたいと、大野フェス実行委員会(丸尾宜延代表)が主催した。

小学生や保護者、地域住民ら約300人が来場。海南市出身の元栃乃和歌関が親方を務める春日野部屋所属で、京都市出身、三段目の和歌桜、御坊市出身の序二段、栃乃島がゲスト力士として参加し、両力士の出身校である県立箕島高校の相撲部が、審判やサポートを務め、取組を進めた。

両力士と高校生力士との触れ合い体験では、1人で挑む子や恥ずかしくて2人、3人で向かっていく子もいた。初めて目の前で力士を見たという1年生の女の子は「こんなに強いと思わなかった。岩みたい。もう1回やりたい」とにっこり。

和歌桜関は「恥ずかしがっている子もいたがみんな元気だった。これをきっかけに一人でも相撲を始める子がいたらうれしい」と話した。

試合は1~5年生の43人が出場。寄り切り、押し出し、浴びせ倒しなどの決まり手で勝敗がつく中、負けて悔し涙を流す子や同級生に声援を送る子、優勝して喜ぶ子などさまざまな表情が見られた。

物言いがつく場面もあり、審判らが土俵の中央に集まり審議し、協議の結果をマイクで伝えると、テレビで見るような光景に会場は盛り上がった。

1年生男子の部では、野口翔星(とあ)さん(7)が優勝し横綱となった。野口さんは「隣にいた高校生のお相撲さんが頑張れって言ってくれたから力が出た。楽しかった」と笑顔。母親の恵里那さん(34)は「普段はできない経験ができた。楽しんでいて良かった」と喜んだ。

5年生男子の部で優勝した中西龍之介さん(11)は「お父さんにやった方がいいと言われ、やりたくなって出場した。みんなで集まって相撲も応援も楽しかった」と笑顔だった。丸尾代表は「子どもたちにとって良いきっかけになったのでは。地域の人にももっと来てもらえるよう、次回につなげたい」と話した。

 

2人で力を合わせ力士に挑んだ