貴志川線にウォールアート 中高生が制作
和歌山電鐵貴志川線や地域の活性化を目指し、貴志川高校と貴志川中学校の美術部員が制作した絵画2作品が1日、同線西山口駅(紀の川市貴志川町)のホームに設置された。明るく彩られたアート作品が同線の利用者を見守る。
絵画の制作、設置は昨年度に続き2回目。「貴志川線や地域の未来がつながる」をテーマに、各校部員が1作品、絵の具を使って縦1・8㍍、横2・7㍍に描いた。
貴志川高生の作品名は「めばえる」。人が新芽に水をやる姿が、下から見上げるような構図で表現され、同電鐵のたま名誉永久駅長も描かれている。2年生2人と1年生1人が中心となり、ことし1月上旬から制作を始め、2月中旬に完成した。
貴志川中生の作品名は「幸せの出発点」。女性がほうきにまたがり、笑顔で大空を飛ぶ様子などが描かれている。約15人の部員がことし1月上旬から2月末にかけて制作した。
お披露目式には、両校関係者の他、同電鐵の職員や同線の永続を目指して活動する「貴志川線の未来を〝つくる〟会」の会員らが出席。作品の除幕などが行われ、両校美術部の代表者が作品に込めた思いなどを話した。
貴志川高1年生の若林慶さん(16)は「見ていて飽きないように色鮮やかに描いた。この絵が地域住民にとってなじみ深い存在になればうれしい」と話した。
貴志川中3年生の北山楓夏さん(15)は「未来に向かって羽ばたくイメージで描いた。見た人が未来への希望を抱いてほしい」と願った。
同電鐵総務企画部営業企画課の竹添善文課長(47)は、「地域の若い人が地域や貴志川線を思って描いてくれ、駅が明るくなった。絵を見た人が和やかな気持ちになってくれれば」と笑顔だった。
昨年度に制作された2作品も継続して掲示されており、今後は作品の劣化を防ぐために修正も加えながら維持されるという。