子の成長と平和願い 粉河で流し雛
和歌山県紀の川市粉河に春を招く伝統行事「紀の川流し雛」が桃の節句の3日、粉河地区で行われた。約300人の大行列がまちを練り歩いた後に中津川でひなを流し、子どもたちの健やかな成長と市民の安全で安心な暮らしを願った。
同市文化協会、同会粉河支部が主催。粉河文化史友会が1982年に行事を復活させ、ことしで40回目を迎えた。
市民らのひなを粉河寺に奉納する祈願祭の後、大行列は、とんまか通りなど、JA紀の里粉河支所前の中津川に設けられた雛流し会場までの約1・5㌔を練り歩いた。大行列は「大提燈」を先頭に、お姫様役の湯浅由季子さん(26)、「お付き」の原さゆりさんと柳谷千夏さんらが前方を行き、地域住民、粉河保育園の年長児38人、粉河小学校の1年生29人、一般参加者と続いた。
河原では、湯浅さんが俵に紙ひなを乗せた「桟俵(さんだわら)」を流した。続いて園児や児童が手作りの紙ひな、同市老人クラブ連合会粉河支部が紙ひなを乗せた小舟、一般参加者が桟俵を川に手放した。
同会粉河支部の植野隆支部長(68)は、「40回続けてこられたことに値打ちがある。たくさんの人の協力があり、無事に開催できて良かった」と笑顔。粉河出身の湯浅さんは、「皆が健康で幸せに過ごせたらと願う」とほほ笑んだ。
とんまか通りでは10日まで、「第10回粉河とんまか雛通り」と題して各店舗などに人形が飾られている。