厄を払い福授かろう 紀三井寺で大餅まき

旧暦の「初午(はつうま)」の19日、和歌山市の紀三井寺(前田泰道貫主)で厄よけや無病息災を祈る恒例行事「初午福つき大投餅」が行われ、境内は約400人の参拝客でにぎわった。

5俵分のもち米を使って作られる福餅は、「大福」と赤く書かれた直径約80㌢の大福餅をはじめ、大小約4000個。

境内に設けられた特設台にことしの福男として、1月8日の福開き速駈詣り(はやがけまいり)で「速駈王」となった京都府の石田諒太さんと、裃(かみしも)姿の年男6人が並んだ。

ことしは大福餅の投げ入れが5年ぶりに復活。前田貫主が安全を確認した後、「厄をはらって福を授かりましょう~!」という掛け声で、やぐらから大福餅を投げると激しい争奪戦に。続いて福男らが福餅の他、パン、お菓子、洗剤やスポンジなど地元の協賛企業の商品も一緒に投げると、参拝客は「こっちにもほって!」と声を上げ、手を伸ばして落ちてくる福をつかんでいた。

家族で来たという紀の川市の30代の夫婦は「楽しかった!」と袋いっぱいの餅とお菓子を手にして笑顔。兵庫県から来たという60代女性は「こんな激しい餅投げは初めてでビックリ」と驚きの表情だった。

前田貫主は「戦争や地震など心がふさぐことが多かったが、福をたくさん持ち帰り『いいことありそう』と思ってもらえるとうれしい」と話していた。

 

大福餅を受け取ろうと手を伸ばす参拝客