郷土の農林水産業学ぶ 小学5年副読本寄贈
和歌山県内の小学5年生が社会科副読本として使用する「わかやまの農林水産業」2024年度版が完成し、編集委員会から県教育委員会への贈呈式が18日、県庁南別館で行われた。
同書は、県、県教委、県森林組合連合会、県漁業協同組合連合会、JA和歌山中央会で構成する編集委が発行。1987年度から毎年、改訂を続け、本年度で第38版となった。
県内の農林水産業について、実際に生産に従事する人々の話から学び、実態を知ることができる構成。気温の上昇など気候変動に合わせた農作業現場の工夫などを紹介し、さまざまな漁法の違いや紀州備長炭の生産工程などは、二次元コードを掲載し、動画で詳しく学べる。
後継者である若い世代が農林水産業に取り組む姿や、活躍する女性たちの姿を写した写真なども豊富に掲載している。
今回は、県内の小学校、義務教育学校、特別支援学校232校の5年生を中心に8169部、教員用の指導資料集734部を配布。贈呈式ではJA和歌山中央会の次本圭吾会長が宮﨑泉県教育長に同書を手渡した。
宮﨑教育長は「毎年更新され、素晴らしい内容になっている。和歌山のふるさと教育の非常に大事な資料となる」と感謝。次本会長は「(実態を知ってもらうために)子どもたちへの教育が大切なので、ぜひ役立ててほしい」、編集専門委員会委員長で和歌山信愛大学非常勤講師の福田光男さんは「子どもたちに分かりやすく、考えてもらえるよう工夫した。副読本をきっかけに、実際に生産者のところへ調べに行ってくれることを願っている」と話した。