使い込むほどに味わい 松江さん根来塗展

和歌山県郷土伝統工芸品「根来寺根来塗」の室町時代の技法を復興した岩出市の池ノ上辰山(しんざん)さんの直弟子、松江那津子さん(42)による作品展が1日、和歌山市友田町の近鉄百貨店和歌山店5階画廊で始まった。7日まで。

辰山さんには15人の直弟子がおり、松江さんは一番弟子。海南市下津町出身の松江さんは2013年に辰山さんの下で学び始め、15年に弟子入りした。根来寺根来塗は、沸騰したお湯を注ぐことができ熱に強く、角が欠けないなどの丈夫さを持つ。松江さんは「長い間愛着を持って使ってもらいたい」と言い、約半年間かけて全26工程で作っている。

松江さんの展示は7年ほど前から毎年開かれている。今回は、盆や皿、膳などとして使え、広い面に美しい刷毛目を表現した、角切折敷(すみきりおしき)を約30枚展示し、眉間寺三ツ椀(みけんじみつわん)、椿椀、瓶子、皿、箸など計約500点が並ぶ。

12年間使用して赤漆から黒漆が表面に現れた器も展示し、松江さんは「使うにつれて風合いが出る、根来寺根来塗ならではの良さを目で見ることもできる。ぜひ足を運んで作品を見に来てほしい」と呼びかけている。

午前10時から午後6時半(最終日は3時)まで。

 

角切折敷について説明する松江さん㊧