健康アプリ導入へ 海南市とベスプラが協定

海南市は4月26日、市民の健康増進を目的に、ITサービス事業を展開する㈱ベスプラ(東京都渋谷区)と共同研究に関する協定を締結した。同社は世界の社会問題をICTで解決したいと健康、消費、雇用など未来に役立つITサービスを開発。今回の協定では、同社の中高年向けヘルスケアアプリ「脳にいいアプリ」の活用による市民の持続可能な脳と体の健康づくりに取り組む。

同アプリは認知症予防に向けた脳の健康維持のためのもの。近年の脳科学において認知症予防に効果的といわれている運動、食事、脳刺激、ストレス緩和、社会参加の5要素が組み込まれている。

健康管理が必要な40代以上の市民を対象に、歩く、脳トレ、食事、イベントやボランティアの参加など、メニューの達成状況に応じて、日常の買い物に使用できる健康ポイントを付与する取り組み。

同社は東京都八王子市や渋谷区など全国12の自治体と協定を結び、アプリが活用されている。近畿圏内での導入は初。同市の高齢化率は37・7%で、全国の29・1%より高い水準で推移し、さらなる介護や、加齢により心身が衰えた状態のフレイル予防の取り組みが必要とされており、同社に声をかけ、締結が実現した。

同日市役所で締結式が行われ、神出政巳市長と遠山陽介代表取締役が協定書に署名した。

神出市長は「使うだけで健康習慣の定着に効果があるアプリを活用しながら、家庭や地域のあらゆる場面で効果的に健康改善への取り組みが進んでいくことを期待している」とあいさつ。

遠山代表取締役は「これまでの実績として歩くこと、食事などで体重や血圧が減少、維持できていることが確認できている。多くの人に知ってぜひ使ってもらいたい」とPR。「健康ポイントは市内の店舗で使用でき、PayPayポイントとも連携できるのでそれによる地域活性化もサポートしたい」と話していた。

今後、同社はアプリを無償提供し、開発や導入に向けた支援、運用データの分析を行い、市はポイントが利用できる店舗の開拓や利用者の募集、広報に関わる費用を負担。10月の制度導入に向け準備を進めていく。

 

締結書を手にする神出市長㊨と遠山代表取締役