二地域居住推進へ議連を設立 地方の人口減少に現実的方策を

鶴保 庸介

5月14日に自民党国会議員有志と「二地域居住推進議員連盟」を会長として設立しました。
地方の人口減少・衰退の流れを止める切り札として、都市部と地方部にそれぞれ暮らしの拠点を持つ二地域居住を進め、和歌山をはじめとする全地方の人口減少による社会課題を現実的に解決する方策たらんとするものです。
国会においても、その翌15日には、二地域居住の促進を図るための法律「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、地域で二地域居住を支援する法人を立ち上げる際の支援制度なども新たに設けられることとなりました。
国土交通省国土政策局はもちろん、内閣府、総務省、多くの官庁が協力体制を敷いて、国あげてのサポートを期待できるようになりました。これを機に、政治側も二地域居住の流れをより太く、より広がりのあるものとするために議連では、二地域居住促進に熱心に取り組む自治体、有識者・実践者、関連事業者の皆さまと協議会を作り、皆さまの取り組みをより一層後押しする制度・予算のあり方などを具体的に議論してまいります。
二地域居住を促進するうえで、そのきっかけとなる取り組みも必要です。現実的に、二地域居住の実践者が負担に感じているものの一つに移動の交通費があげられます。地域間の移動に関する負担を軽減するために、ロードファクターをみてダイナミックプライシング、価格の弾力性をつけてあげることが促進を図るために効果的と考えられます。東京や大阪などから、和歌山に来る人が少ないような時期や季節、時間には飛行機や鉄道などの値段を安くし、その値段が安くなるだけではなく、安くなることを二地域居住を考えている本人にちゃんとお伝えをする。すでに民間はDXの流れの中でそうした取り組みを始めています。
もう一つの現実問題として、能登半島地震で、やむを得ず事実上の二地域居住をしている被災者の方がいます。こうした方たちには、積極的に二地域居住や多拠点居住をする人と同じような既存の制度をあてはめることは困難で、実態に制度を合わせる必要があります。例えば、輪島市では住めない人が金沢市に避難して住むことになった場合、近いようでも車で3時間かかります。道路も寸断され、下手すれば4時間、5時間もかかる場合もあります。行政サービスを受けようと考えた場合、例えば住民票を取得しようと思っても、輪島にいちいち戻るのは大変な労力を要します。
二つの拠点の自治体に同じ人が住民として登録できる仕組みができれば、これを突破口として、二地域だけでなく多拠点居住が促進され、東京一極集中が緩和されることになるかもしれません。
また、ワーケーションの進化版として、空き家を活用することで、お試しでの移住のきっかけにもなります。特に和歌山県の場合、空き家率が全国で高い水準にあり、その空き家は社会資本であるということを強調して、取り壊すのではなく、リフォームして活用してくことが重要です。
できれば、具体的な社会課題解決を、現実に一つ一つ求めていきたいと考えています。そのためにも皆さんのご意見をぜひお寄せください。

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