設立50周年を祝う 県室内装飾事業協同組合
和歌山県室内装飾事業協同組合(WIDA、東端憲三代表理事)の設立50周年記念式典と祝賀会が18日、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で開かれた。組合員や来賓ら約80人が半世紀の大きな節目を喜び合い、防火・防炎性能に優れた安全な室内装飾の普及や、組合員の経済的、社会的地位の向上などに向け、さらに組合の活動を発展させていくことを確認した。
同組合は1974年7月、カーテン、じゅうたんを主とした室内装飾用資材製品の販売、加工、内装施工を行う県内事業者37社で設立。設立目的には「組合員の相互扶助の精神に基づき、自主的な経済活動を促進し、経済的地位の向上を図ること」を掲げ、内装に携わる職人の育成や技能向上などの取り組みを進め、現在は107社まで発展している。
中でも注力しているのが「防炎物品ラベル」と「防火壁装施工管理ラベル」の発給事業。消防法や建築基準法など関係法令で求められる防火・防炎性能を備えた内装を広げ、人々の生命・財産を守る安全性を高めるため、業界として、基準を満たした内装品などに表示するラベルの普及に取り組んでおり、県内の消防本部や市町村への働き掛けも継続的に行っている。
2015年5月には青年部を発足。子どもたちをはじめ業界への関心を高めてもらい、担い手不足の解消を目指す活動などを進める。学童保育での小学生への内装体験イベントの開催、県立和歌山工業高校での現役職人による出張授業などに取り組んでいる他、県内各地域と連携し、イベントのフロアや壁紙に、自由に画像や絵柄をプリントできるデジタルクロスを施工するなどの実績を重ねている。
組合の運営にも青年部が中核として参加し、現在は13人の理事のうち7人が青年部。東端代表理事は「世代を越えて、協力して新しいことに挑戦しないといけない。青年部が良いと思うことを進めるのを、大いに応援したい」と話す。
青年部長の松岡千秋さんは「時代に合わせて変えるべきものは変えながら、業界の人のつながり、協力し合う絆を守っていきたい。先輩からしっかり後押ししてもらっている。子どもたちや地域ともつながり、内装の仕事をもっと知ってもらえるよう、外に向けて発信していきたい」と意気込む。
記念式典には、岸本周平知事や日本室内装飾事業協同組合連合会(日装連)の小坂田達朗理事長、同連合会近畿ブロック各府県の代表らが祝福に駆けつけた。
功労者の表彰も行い、日装連理事長表彰が小比賀利雄さん(小比賀内装)、細川健次郎さん(㈱インテリアほそかわ)、早水良典さん(インテリア早水)の3人に、和装協代表理事表彰が土居弘治さん(故人、㈲どい)に贈られ、満場の拍手に包まれた。
50周年記念誌の披露もあり、ペーパーレス化の時代に対応してデジタル版で制作し、いつでもスマートフォンで見られることなどが報告された。
式典に続き、出席者は祝杯を挙げ、食事を交えて歓談の時間を過ごした。