新曲初演も 30日和市吹奏楽団第100回定演

和歌山市吹奏楽団(西本行伸団長)の第100回定期演奏会が30日午後1時半(開場1時)から、和歌山市七番丁の和歌山城ホール大ホールで開かれる。ことしで創設50周年を迎え、同市の音楽文化の一翼を担ってきた楽団の節目の記念公演。委嘱作品「飛瀧幻想 炎の祭り」の初演など、聴きどころ満載のプログラムとなっている。

同楽団は半世紀前の1974年(昭和49)6月に発足した。オーケストラがなかった和歌山に楽団をつくる動きが活発化し、同年1月の和歌山市交響楽団に続いて誕生。活動の中心である定期演奏会は年に2回開き、市民に愛されながら100回目となる。

新曲の「飛瀧幻想炎の祭り」は、吹奏楽界の人気作曲家である福島弘和さんが手掛けた。和歌山にちなんだ曲を、との依頼に、熊野信仰の聖地である那智勝浦町の飛瀧(ひろう)神社(那智の大滝)と、同所で毎年7月に行われる「那智の火祭り(扇祭り)」をモチーフにした作品が完成した。

福島さんは、県立田辺中学・高校吹奏楽部が委嘱した「梁塵秘抄~熊野古道の幻想~」でも知られ、和歌山が誇る歴史・文化を表現した新たな曲が、和歌山市吹奏楽団によって初演を迎える。

プログラムはこの他、第1回定期演奏会で演奏した「シンフォニア・ノビリッシマ」、第50回定期演奏会で演奏した「テレプシコーレ」など楽団の歴史にちなんだ曲、県出身の歌手・坂本冬美さんのヒット曲が並ぶ「ジャパニーズグラフィティ 坂本冬美メドレー」など和歌山ならではの曲も披露される。

出演は、団員50人とOB・OGや友情出演の30人を加えた総勢80人。指揮は、第1回定期演奏会から参加している神田隆司さんと、同じく初期から楽団を支える三好邦男さんの2人が務める。本番が近づき、団員たちの練習の熱気も高まり、プログラムは仕上がりつつある。

西本団長(46)は「10~70代までの幅広い年齢層、価値観もさまざまな団員が集まっているのが楽団の特徴。仲が良くて、今回は特に和気あいあいと練習に取り組んでいる。初演の曲もあるので、市民に一番に聴いてもらいたい」と話し、来場を呼びかけている。

入場無料。問い合わせは同楽団

 

記念演奏会への来場を呼びかける西本団長㊥ら

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