名勝をダンスで表現 和歌浦小で体験ワーク

地元の歴史的価値を子どもたちに知ってもらおうと、和歌山市和歌浦西の和歌浦小学校で20日、名勝「和歌の浦」をうたい踊る「わかうらダンス(わかダン)」のワークショップが開かれた。市民団体・和歌の浦ファンタスティコの会員らが講師を務め、4年生20人が参加した。

同団体は地元出身の建築家やダンス講師、公務員などさまざまな職業の人で構成され、和歌の浦の文化や歴史を広める活動を行っている。2019年、同団体がダンスカンパニー「コンドルズ」を主宰するダンサーの近藤良平さんに、江戸時代に全国で大流行したとされる歌謡「和歌の浦」の振り付けを依頼。和歌浦小学校で、近藤さんと地域住民が集まって振り付けを考え、わかダンが完成した。近藤さんや市民が参加し、明光通りでこれまでに2度披露された。

わかダンを地域で継続したいとの思いから、一昨年から小学校で出前授業が開かれ、今回3回目。

初めに児童らは歌謡「和歌の浦」を聞き、歌詞の中に「玉津島」や「鹽竈(しおがま)」というなじみのある言葉を見つけた。「権現」などの意味を団体代表の西本直子さんが解説し、他のメンバーらが振り付けを教えた。

3本の指を広げて松の葉を表し、腕全体をくねらせる「下がり松」など、どれも覚えやすい動きで、児童らは興味津々の様子で、すぐに振りを覚えた。隣の人と顔を合わせてうなずく動作に、講師らや児童全員が「そうだよね」という言葉を合わせ、大きな笑いが起こった。

西本さんは「地元の歴史的価値や良いところを、親しみやすいダンスを通じて、子から親へと、地域の人に知ってもらいたい」と話した。

4年1組の土井陽希さん(9)は「権現の言葉を初めて知った。下がり松のポーズが面白かった」、前川楓さん(10)は「(和歌の浦の)干潟や妹背山は知っていた。初めて踊って、いろいろ楽しかった」と話した。

 

わかダンを踊る児童ら

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