演説聞き模擬投票も 内海小で選挙と税の授業

国や地方公共団体の財政を支える「税」と、その税の集め方や使い方を決める代表者を選ぶ「選挙」の密接な関係を学んでもらおうと、和歌山税務署と県選挙管理委員会事務局は24日、海南市鳥居の市立内海小学校で出前授業を開き、6年生23人が模擬投票を体験した。

授業では、和歌山税務署の税務広報広聴官の岡崎香奈さんが税金にはどんなものがあるか、いつの時代からあるのかなどクイズ形式で分かりやすく説明。日本には現在約50種類の税金があり、中には「紀の国森づくり税」といった県独自の税金があることや、学校や警察、消防費なども税金でまかなわれていること、小学生1人当たりに1年間で使われる税金は約97万円に上ることなどを紹介した。

続いて県選挙管理委員会海草分局の大久保充書記が選挙について解説。「税金の使い方を決めるのに重要なのが選挙」とし、18~24歳の投票率が低いことにふれ、「若い人の考えが政治に反映されにくい。皆さんの願いを実現してくれるリーダーを選ぶ選挙はとても大切」と伝えた。

模擬投票では、同校の教員2人が立候補者役となって児童らの前で演説。「屋内プールの設置」と「グラウンドの芝生化」をそれぞれの公約として掲げ、児童らの前で演説。投票は実際の投票所で使われている記載台を用い、選びたい候補者の名前を投票用紙に記入し、本物の投票箱に入れた。開票は担当児童らが振り分け作業をし、機械で枚数を確認。14票対9票で「屋内プールの設置」を公約にした教員が選ばれた。

宮本涼羽さん(11)は「自分が投票した人が当選してうれしかった。きょうは2人だったけど、候補者が何人もいると選ぶのは迷うし、難しいと思った」と話していた。

児童らは初めて体験する選挙に興味を持った様子で、「受付や集計は誰でもできるの?」、「立候補する人数は決まってるの?」、「投票所のスタッフは12時間もの間、ご飯はどうしてるの?」などたくさんの質問をしていた。

大久保書記は「きょうの体験を忘れず、18歳になったら必ず投票に行ってほしい」と呼びかけた。

同講座は県内の小、中、高校300校以上で開催しており、7月には慶風高校、海南中、海南第三中学校でも行われる。

実際の投票所で使っている記載台と投票箱を使用

実際の投票所で使っている記載台と投票箱を使用