県内初「みどりの愛護」 秋篠宮ご夫妻迎え
第35回全国「みどりの愛護」のつどいが1日、7年ぶりのご来県となる秋篠宮皇嗣ご夫妻を迎え、和歌山県内で初めて和歌山市の和歌山城ホールで開催された。約1000人が参加し、式典では緑化活動の功労者への表彰、活動事例の紹介などがあり、和歌山城公園二の丸庭園では記念の植樹が行われた。
全国「みどりの愛護」のつどいは、全国の公園緑地などの愛護団体、地域の緑化や緑の保全活動を行う団体などが一堂に集い、都市緑化の意識の高揚を図り、緑豊かで潤いのある住みよい環境づくりを推進することを目的に、1990年から開催。和歌山市でのつどいは、国土交通省と県、市が主催し、実行委員会を組織して運営した。
開式前のプロローグは、和歌山の魅力を映像と音楽で表現するステージ「人とみどりの繋がりの歴史」。同市出身でバイオリニストの寺下真理子さん、箏奏者の小松亜未さん、橋本市出身で打楽器奏者の大家一将さん、チェロ奏者の有馬陽子さんら県出身者を含むアーティストによる演奏、高野山真言宗総本山金剛峯寺による声明、和歌山児童合唱団、海南児童合唱団、きみの児童合唱団による合唱があり、県立星林高校放送専門部が語りを担当した。
式典では、秋篠宮ご夫妻が入場されると会場は大きな拍手に包まれ、国歌斉唱などに続き、主催者の斉藤鉄夫国土交通大臣、岸本周平知事、尾花正啓市長があいさつした。
活動事例の発表は、NPO法人花いっぱい推進協議会(和歌山市)の森川勝理事長が行い、「花と緑を育てる活動を行い、温かく潤いのあるまちづくりに貢献できるよう、会員一同、笑顔を忘れずに継続して取り組んでいきたい」と話した。
第35回「みどりの愛護」功労者国土交通大臣表彰(県内23団体、全国97団体)、第35回全国「みどりの愛護」のつどい記念県都市緑化功労者知事表彰(36団体)への表彰が行われ、大臣表彰は東松戸ゆいの花公園利用促進協議会(千葉県松戸市)、知事表彰は古屋緑地公園美化協力会(和歌山市、中谷壽昭会長)が代表して受け取った。
秋篠宮さまは式典に寄せるお言葉の中で、能登半島地震に心を痛めていることにふれ、「改めて防災と減災の重要性、そして緑が防災に果たす役割や、緑を守り育むことの大切さに思いをいたしながら、それを継承していく必要性を感じております」と述べ、受賞者に敬意を表し、取り組みが次世代へ受け継がれていくことを願われた。
式典の最後には、中井千莉さん(中之島小6年)と垣本晃奈さん(三田小6年)が「誓いの言葉」を述べ、秋篠宮ご夫妻が退場の際には、見送る2人と笑顔で言葉を交わされる場面が見られた。
式典後、秋篠宮ご夫妻は別室で活動事例の発表者、受賞団体の代表者と懇談された。続いて和歌山城二の丸へと向かわれ、天守閣を仰ぐ庭園に、主催者や受賞団体の代表と共にソメイヨシノ、ウバメガシ、クスノキ、クマノザクラの木を植えられた。
植樹を終え、秋篠宮ご夫妻は有田川町へと移動され、清水文化センターで特産のブドウサンショウの生産者らと懇談された他、扇状に広がる美しい棚田で知られる「あらぎ島」を視察された。