脱炭素へ協定 エネオス×わかやま緑の公社
石油元売り最大手のENEOS(エネオス)㈱と一般社団法人「わかやま森林(もり)と緑の公社」は5日、脱炭素社会の実現に向け、同公社が管理する森林で国が認証する「J‐クレジット」を創出する事業に取り組むため、連携協定を締結した。事業は10年間を予定し、二酸化炭素(CO2)排出量で年間1万㌧のクレジット創出を目指す。
エネオスは、CO2排出量を2030年度までに13年度比で46%削減する目標を掲げており、自社の取り組みだけでは削減が困難なCO2排出量のオフセットを行うため、森林由来のクレジットを創出、活用する取り組みを全国に展開しており、今回の協定もその一環。
協定により、同公社が管理する3300㌶のスギやヒノキの森林を活用してクレジットを創出し、エネオスは創出したクレジットを買い取り、事業活動で排出するCO2のオフセットに役立てる。同公社はクレジットの売却益を森林整備に活用し、協定期間後の10年を含む20年間で、2900㌶の森林の間伐を予定している。
協定の調印式は和歌山市の県自治会館で実施。エネオスの志賀智常務執行役員と同公社の下宏理事長が協定書に署名し、紀の国ふるさとづくりマスコットキャラクーのキノピーが立ち会った。
下理事長は「J‐クレジットへの期待は今後ますます高まる。公社にとって、森林整備の財源を安定して確保できる」と期待し、志賀常務執行役員は「今回の事業は、森林由来のクレジットを創出するところから関わることができ、意義深い。脱炭素の幅広い取り組みを進めたい」と話した。