リアルな滄竜の絵柄も 加太線に新車両
南海和歌山市駅と加太駅間を走る「めでたいでんしゃ」の新車両が13日にデビューする。ひと足早く10日には、加太沿線の西脇小学校の児童約160人を招待してお披露目会が開かれた。加太の名物、鯛を想起させる虹色のうろこ柄に、車内の床面には、県内で発見された「ワカヤマソウリュウ」と原寸の骨格図や加太の森を守るために植樹しているアジサイのデザインなどが施されている。運行開始は13日和歌山市駅発午前9時55分。
新車両は鯛をイメージした列車で、これまでの4編成の「とお~い祖先」として線路を走る。外装は2両とも共通デザインで、内装は1両ごとにテーマがある。
和歌山市駅寄りの車両内装は「太古の記憶」がテーマ。県立自然博物館監修で、床面にはモササウルスの新種「ワカヤマソウリュウ」と、約6㍍の原寸の骨格図が描かれ、シートにはメガロドン、イグアノドンなど県内で化石が発見された古代生物などがデザインされている。
加太駅寄りの車両は「未来への想いとSDGs」と題し、未来への思いを形にしたデザイン。窓にはアジサイがデザインされ、ロールスクリーンを下ろすと虹がかかるように見える工夫が施されている。
海に流れ着いたものを活用したアート作品や、捨てるものをはんこにしてアートにしたものなど、県出身や在住のアーティストの作品も紹介している。
また、車内には「加太沿線で残しておきたい風景」をテーマに西脇小学校と加太小学校の児童が描いた絵を展示。定期的に入れ替わり楽しむことができる。
お披露目会に参加した4年生は、外観を見学した後に乗車。中に入ると「新幹線みたい」「(ワカヤマソウリュウ)めっちゃリアル」「窓のアジサイがかわいい」など、初めて見るデザインに友人らとはしゃいでいた。
田中瑛大さん(10)は「昔の感じと今の感じのどちらも楽しめる。ワカヤマソウリュウが和歌山でみつかった生き物だったとは知らなかった。自慢になる」とにっこり。下古谷馬斗さん(10)は「海に流れ着いたもので作った作品が気に入った。電車の名前が何になるか楽しみ。『にじいろ』になればいいな」と笑顔だった。