熊野古道の絵図と写真 市役所で展示

江戸時代と現代の熊野古道の風景や人々の生活を知ってもらおうと、和歌山ユネスコ協会は和歌山市役所1階の市民ギャラリーで、展示「甦りの熊野古道『紀伊国名所図会(ずえ)と写真展』」を開いている。共催は「『熊野古道』を世界遺産に登録するプロジェクト準備会」で、16日まで。

「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念して実施。

江戸時代後期に企画された紀州半島に関する地誌『紀伊国名所図会』から、熊野古道にまつわる絵20枚を同市在住のイラストレーター芝田浩子さんが色付けした。海南市に住む熊野古道写真家で同準備会の大上敬史さんが、1984年から40年かけてそれぞれの絵が描かれた場所を訪ね、風景や地域行事を撮りためた写真34枚を展示。さらにグーグルマップの写真19枚も添えられている。

中には、絵と写真、同マップの三つが、時を隔ててなお酷似する有田市、蕪坂の峠から下津湾を眺めたものや、人々の表情がうかがえる絵、2012年の火災で本堂が全焼した和歌山市寺内の満願寺を描いたものなどもある。

同協会事務局長の高垣晴夫さん(62)は「当時から変わらない所や変わった所、当時の人の表情を見ていただきたい。興味を持ってもらい、熊野古道全ての世界遺産登録につなげたい」と話している。

 

展示を鑑賞する来庁者
展示を鑑賞する来庁者