連携し迅速な救出を 海南海保ら合同潜水訓練

海南海上保安署(勝部光人署長)は9日、関西空港海上保安航空基地、海南市消防本部、有田市消防本部と海南市下津町大崎の海域で合同潜水訓練を行い、連携を図った。

水難事故や豪雨などの自然災害発生時における迅速な救助活動や相互の水難救助技術などの向上を図ろうと、2022年度から同署周辺海域などで行っている。

この日は、同航空基地から機動救難士3人、海南市消防本部と有田市消防本部からそれぞれ4人の潜水隊員が参加。基本的なドルフィン泳法やおもり運搬リレー、潜水捜索訓練を実施した。

訓練場所は、深さ最大約10㍍の海域。機動救難士によるとこの日の水中は、3㍍ほど先までが見える透明度だという。

平行捜索では、岸壁沿いに隊員4人が一列になって1本のロープを持ちながら潜水で進み、海底に沈めた捜索物を捜した。空気ボンベを背負い、水深や空気の残りを測りながら捜索。約10㍍進んだ所で発見し、海面に引き揚げ、岸壁の隊員へとつなぎ、連携を図った。

他にも、10㌔の錘(おもり)を付けたブイを救助者や荷物と想定し、20㍍を搬送するリレーなども行い、各隊の迅速な泳法なども学んだ。

勝部署長は「救助者は早く助けてくれることを求めている。違う組織と技術を教え合い、迅速な対応ができるよう連携が確認できた。今後も継続して実施していきたい」と話した。

10㌔の錘を付けたブイを運搬する隊員

10㌔の錘を付けたブイを運搬する隊員