目指せ黒字化 「ジュニエコ」スタート
模擬会社をつくって商品を販売し、社会の仕組みを学んでもらおうと、和歌山市内の小学5、6年生を対象にした「第2回ジュニアエコノミーカレッジ」が28日から始まり、和歌山市西汀丁の和歌山商工会議所で開会式が行われた。
主催は和歌山商工会議所青年部(和歌山YEG、井手敏泰会長)。全6回の講座で資金調達や販売について学び、10月13日に同市の和歌山ビッグホエールで開かれる「わかやま商工まつり」に出店し、実践販売を行う。
商売を通して自ら決めて行動できる人材の育成を目指す4カ月にわたるプログラムで、昨年に続き実施。今回は市内の小学校5校(八幡台、伏虎義務教育、大新、楠見、中之島、智弁)から5人ずつの8チーム、40人が参加した。
式で井手会長は「これからワクワクすることがいっぱいある。仕事や会社って何だろうということを楽しく学べるので、肩の力を抜いて取り組んでもらいたい」とあいさつ。
尾花正啓市長は「自ら考えて計画を立てて実行するのはすごく難しいと思う。それを乗り越え、将来なりたい夢に向けて頑張ってほしい」と激励。
阿形博司市教育長は「自分たちが将来社会に出た時に、どういうことが大事かを学べる大変貴重な機会。この経験を大事にしてください」とエールを送った。
続いてグループワークが行われ、児童らはどのような会社をつくるのか話し合い、社名と会社のキャッチフレーズ、役職を決め、会社を設立した。
将来は社長になりたいという智弁小6年の武田彩良さん(11)は副社長に就任。販売を予定しているジェル状の芳香剤と、塩に色を付けるアート「ソルトサンド」の試作品を持参。「売り上げ1位を目指したい。売れるようにどう工夫するのかが難しそう」と真剣な表情でメンバーと話し合っていた。
「専門学校を経営するお父さんの跡を継ぎたい」という中之島小5年の坂本旭さん(10)は、社長に就任し「目標は黒字にすること」と話し、「みんなの記憶に残るような笑顔」というキャッチフレーズで、フランクフルトの販売に向け、準備を進めていた。
医者を目指しているという智弁小6年の久保茉友子さん(11)は、「完売を目指したい」と、手作りのレジンキーホルダーを販売する会社の社長としてチームを引っ張る。
児童らは会社名と役職、名前が入った名刺を手書きで5枚制作。名刺交換のビジネスマナーを教えてもらい、各分野の専門職から、株式会社、会社登記、食品や商品、特許のルールについて学んだ。
今後、資本金と借入金の計2万円で材料を仕入れ、販売計画を立て、10月の販売当日まで力を合わせて商品を作り、売り方を勉強。8月に進捗確認会、9月に商品企画と計画、資金調達のためのプレゼンを行う。