避難所に女性の視点 和市職員図上訓練

避難所運営の図上訓練を行う女性職員ら
避難所運営の図上訓練を行う女性職員ら

本格的な台風シーズンに向け、和歌山市は7月29と30の両日、市災害対策本部で避難所運営員である市職員172人を対象に、開設から運営までの流れを確認する図上訓練を行った。30日には、防災対策の充実に女性の視点を取り入れようと、女性職員と教職員を対象にした訓練に19人が参加。災害時における避難所運営や備蓄品などに関する男女のニーズの違いや、異なる配慮の必要性などを議論した。

避難所運営図上訓練では、県が作成した防災学習教材「きいちゃんの災害避難ゲーム」を使用。台風接近に伴い、大規模な風水害が発生したとの想定で、カードに記された避難所内外で課題やトラブルの対応について、4~5人のグループごとに話し合いながら進めた。

カードには授乳室や更衣室の設置場所、高齢者の生活スペースの確保、スーパーから提供された弁当の配布方法、車中泊を希望する人に伝える注意事項などさまざまな課題が記され、参加者は制限時間内に結論を出し、回答に応じて得られるポイントを競った。

訓練後は女性に対する避難所運営の在り方、備蓄品の選定について討議し、グループごとに発表。「安全のためにトイレを明るくする」、「幼児がいる世帯を分けるファミリーゾーンが必要」、「生理用品の種類を増やし、タンポンやパンティライナーなどを充実させる」、「ドライシャンプーや汗を拭くシート、日焼け止めも必要」など多様な意見があった。

総合防災課の柳瀬由貴さんは「男女混合だと具体的な意見を言いにくいことがあるが、きょうは自分でも気付かなかったことも聞かせてもらえて良かった。安心した避難所生活を過ごせるよう、皆さんの意見を反映させていきたい」と話した。市はこの日に出た意見を参考に、今後は避難所運営マニュアルや備蓄品の見直しなどを行うという。