古来の形の継承へ 琉球古武道の愛好者ら
琉球古武道協会関西地区本部(大引啓嗣地区本部長)は多彩な武器を使う沖縄古来の武道、琉球古武道の形の継承を目指して和歌山市内で活動している。今後は、約400年前に誕生したとされる古武道の技術を学んだ人が後世に継承していけるよう、競技人口を増やし競技者のさらなる技術向上を図っていく。
協会では約180㌢の棒、約45㌢の棒に持ち手が付いたトンファー、インド伝統の仏具が由来とされる釵(さい)、二丁鎌、ヌンチャクなど10種類の武器を使う。それぞれの武器に対人を想定した攻防一体の伝統的な形がある。琉球古武道では立ち方や動作に空手と一致する点が多いことなどから、空手の初段以上を持つ人のみが取り組んでいる。精神力が鍛えられ、礼儀やマナーが身に付けられるという。
関西地区本部は市内で唯一、琉球古武道に取り組む団体だ。1984年に協会とともに発足し、ことしで40周年を迎える。現在は主に市内の10歳から74歳の男女18人が所属。毎週土曜日午後7時から8時半まで、和歌浦西の県立武道館で大引本部長(61)ら3人による指導の下、鏡で確認しながら形の練習などに取り組んでいる。
大引本部長は40年間を振り返り、「継承はうまくいっている」としながらも、高度な技術の習得が必要で、教えを受けた人が後世に伝えることが難しいと話す。後世へのさらなる継承のため「取り組む人を増やし、競技者が全ての武器の形の技術を身に付けてほしい」と願っている。
小学1年生から空手を始め、5年生から琉球古武道に取り組んでいる桐蔭高校1年生の迫間太志さん(17)は「いろいろな武器の特有の動きを突き詰めるのが面白い。将来的には子どもにも技術を伝えていきたい」と話している。
琉球古武道に関心のある人は大引本部長(℡090・5018・9664)。