失敗は発明の母 島ものづくり塾が開講

高い紙のタワー作りに挑戦
高い紙のタワー作りに挑戦

実験などを通じ、小学生に科学の楽しさを伝える「島ものづくり塾」の本年度の低学年クラスが4日、和歌山市本町のフォルテワジマで開講。30人が入塾し、約半年間にわたる学びをスタートさせた。

未来の科学技術の進歩を担う人材を育てようと、公益財団法人「島財団」が主催。島精機製作所(和歌山市坂田)の創業者で名誉会長の島正博さんが2019年度に設立した。低学年クラスには1185人の応募があり、抽選で選ばれた子どもたちが音や電気、ロボットなどをテーマに、全6回の講義で学びを深める。

入塾式で、島さんは「失敗しても大丈夫。大切なことは、『失敗したのはなぜかな』と考えてやり直すこと。工夫しながらやり直し、うまくいくことで、いろいろな技術や知識が身に付き、発見や発明につながります」と呼びかけた。大江嘉幸理事長が塾生一人ひとりに「頑張ってくださいね」と入塾証を手渡し、グータッチを交わして歓迎した。

続いて行われた第1回の講義では「紙の科学」をテーマに、向陽中学校の樋上睦芳教頭が講師を務めた。和歌山信愛大学の学生たちもサポート。子どもたちは、折り重ねることで強度を増す紙の性質を学んだ上で、電車のおもちゃを走らせることができる頑丈な橋作りに挑戦。折り方を工夫し、夢中になって試していた。橋がうまくできると、応用させてトンネル型にする子もいた。

また、10分間でどれだけ高い紙のタワーができるかをチームで競った。相談しながら折る作業のみで紙を積み上げ、最高で166㌢の高さにすることができた。

音楽や図工が好きだという上岩出小学校2年生の林汐里さん(7)は「電車を走らせるのが楽しかった。紙の橋は両端に壁を作るとうまくいった」と笑顔で話していた。

高学年クラスの入塾式は18日に行われる。