空飛ぶクルマ実証飛行 9月に串本で県内初実施

空飛ぶクルマについて話す岸本知事
空飛ぶクルマについて話す岸本知事

和歌山県は9月21日、次世代の移動手段として期待されている「空飛ぶクルマ」の実証飛行を、県内で初めて串本町の潮岬望楼の芝で開く。岸本周平知事は8月26日の定例記者会見で「県としては離発着場を県内に整備し、大阪・関西万博後の商業運航につなげていきたい」と期待を話した。

実証飛行は9月21日午前11時から、5分程度の飛行を2回実施する。中国企業が製造した2人乗りの機体を使い、最大で50㍍程度上昇し、約1㌶の望楼の芝敷地内を旋回飛行する予定。騒音や風への対応などの飛行データを取得する。司会は同町出身の元AKB48、山本瑠香さんが務める。

その後、正午から午後2時まで、地上での搭乗体験を行う。いずれも小雨決行、大雨や強風の場合は22日に延期する。

また、関連イベントを午後1時半から3時半まで、同町の南紀熊野ジオパークセンターで開き、県の将来像をテーマとした高校生によるプレゼンテーションなどを行う。

空飛ぶクルマの県内での実用化に向け、県は総合重工業の㈱IHI(東京都)、建設コンサルタントの㈱長大(同)、南海電気鉄道㈱(大阪市)の3社と連携協定を締結している。

岸本知事は「離発着場を整備するのがわれわれの仕事。海岸沿いや人家がないところなど、県内にはいくつか適地があると思うので、協力して見つけていきたい」と意欲を示し、離発着場整備による効果については「まず観光面で、関空から直接県内の観光地に来てもらうようなことが最初のトライアル。安全性が確保されていれば、災害対応も可能だ」と話した。