核兵器のない世界へ 県文でパネル展示

パネル展示を見る来場者ら
パネル展示を見る来場者ら

核兵器のない世界の実現について考えてもらおうと、「核兵器なき世界への連帯―勇気と希望の選択」和歌山展が8日まで、和歌山市小松原通の県民文化会館大展示室で開かれている。制作は創価学会インタナショナル(SGI)と、国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)。

同展は2012年に広島県で始まってから、世界21カ国90以上の都市で開催され、今展は国内で29回目、和歌山では初開催となる。

会場には40枚のパネルと、広島と長崎の原爆で焼け残った遺品などが並ぶ。パネルでは、人道、環境、経済、人権、ジェンダー、医療など12の視点から核兵器の問題と取り組みを紹介。2017年、ニューヨークの国連本部で122カ国の賛成により「核兵器禁止条約」が採択された際(日本は不参加)、各国の代表者らが後方座席で採択を見守った被爆者らに、敬意を表して拍手を送った様子を捉えた写真もある。

展示の初日となった4日には開会セレモニーが行われ、関係者やさまざまな業界の幹部、市民ら約60人が参加。テープカット後、同展実行委員会で、創価学会平和運動局の相島智彦局長が解説した。相島局長は「大切なものは何か、自分事として捉え、知り、周囲の人と話して一歩踏み出すところにつないでいけたら。興味のあるところを深堀りしていただきたい」と話した。

会場を訪れた同市松島の石黒雅子さん(82)は、「深く心に響いた。核廃絶が進んでいるようで進んでいないジレンマを感じた」、同市松江の看護師、三木田涼子さん(44)は「戦争は絶対に駄目だと改めて思った。ゲームの世界では人を殺し合い、リセットできるという意識の子が多い。難しいけれど子どもたちと一緒に考えていきたい」と話した。午前10時から午後7時(最終日は6時)まで。