万博への参加希望は55% 県の小中支援事業

定例記者会見で話す岸本知事
定例記者会見で話す岸本知事

来年4月に開幕する大阪・関西万博に和歌山県内の小中学生が参加するのを支援する県の事業について、各学校への意向調査に回答した学校のうち約55%が参加を希望し、不参加が約25%、検討中が約20%となっている。不参加は県南部の学校に多く、会場まで遠距離で移動時間が長いことが主な理由に挙がっている。全体の約25%はまだ回答しておらず、県は引き続き意向の確認を進める。

9日の定例記者会見で岸本周平知事が明らかにした。

県の支援事業は、私立、国立を含む県内の小中学校と特別支援学校の小・中学部の児童生徒約6万7000人を対象に、万博のチケット料金とバス代の一部などを補助するもの。ひとまず8月末を期限に各学校の参加意向を調査したところ、約370校のうち回答したのが271校で、参加希望が150校、不参加が69校、検討中が52校となっている。

田辺市以南の学校では、参加希望は1割未満にとどまり、約半数の学校がまだ回答していない。

不参加の主な理由は、万博会場までの距離が遠く、日帰りでの参加が難しいこと。現時点で、会場の建設現場でメタンガスによる爆発事故が発生したことを不参加の理由にしている学校はない。

学校からは、教員による会場の下見を希望する声も出ており、岸本知事は、万博の運営主体である2025年日本国際博覧会協会に、開幕前の下見ができないか要望していると説明。さらに、会場で小学校低学年の児童らに長距離の徒歩移動をさせないよう、入場時の配慮などについても同協会に申し入れている。

岸本知事は「半分以上が参加を希望しているのは大変ありがたい」と述べ、自身が中学生の時に1970年の大阪万博を訪れ、海外のパビリオンを見た経験などが、国際的な仕事をしてみたいと思うきっかけになったことを紹介。今回の万博参加が県内の子どもたちにとって、「将来に大きな影響を与える機会になればいいと思う」と期待感を示した。