和商が63年ぶり団体V インターハイ相撲

63年ぶり6回目の優勝を果たした和歌山商業高校相撲部(同部提供)
63年ぶり6回目の優勝を果たした和歌山商業高校相撲部(同部提供)

和歌山商業高校相撲部は、大分県の宇佐市総合運動場相撲場であった全国高校総合体育大会(インターハイ)の団体戦で63年ぶり6回目の優勝を果たし、古豪復活を成し遂げた。個人戦では同校3年の西出大毅選手(18)が連覇を達成した。

5人制の団体戦には各都道府県予選を勝ち抜いた46校が出場。県内からは和歌山商業と箕島が臨んだ。

和歌山商業は先鋒・花田龍信選手(17)、次鋒・小林優太選手(17)の2年生と、中堅・西出選手、副将・中西海心選手(18)、大将・山本十蔵選手(18)の3年生で全試合に挑んだ。三崎裕生選手(16)と濵本大河選手(16)もメンバー入りした。

予選3回戦の後、勝ち抜いた32校による決勝トーナメントがあった。和歌山商業は予選を2勝1敗、計8人が勝利して決勝トーナメントに進んだ。その後は準決勝で高岡向陵(富山)を5―0で下すなど、危なげなく勝ち抜いた。

迎えた決勝戦では予選で唯一敗れていた強豪、鳥取城北(鳥取)と再戦。先鋒と次鋒が敗れて追い詰められたが、土壇場で自力を発揮した。

西出選手が「気持ちを乗せて戦えた」と寄り倒しで勝って流れをつくると、続くは予選で全敗も決勝トーナメントではこれまで4戦全勝と波に乗る中西選手。「自分が勝てばチームが勝つと思って積極的に戦えた」と押し出しで勝利した。

命運を託された山本選手は「大将戦の心の準備はできていた。緊張はなく気持ちがたぎっていた」。体格差をものともせず、寄り倒しで勝って意地をみせた。優勝を決めた瞬間には「うれしさなどいろいろな感情が混ざった」と言い、小学1年生からの競技人生で初めて、勝って涙がこぼれた。

西出選手は「今までにない喜びだった。個人と違って全員で喜べたのが良かった」と笑顔。中西選手は「支えてくれた人に恩返しできて良かった」と話した。

連覇は9人目の快挙 山本選手は8強入り

個人戦には142人が出場し、和歌山商業からは西出選手と山本選手が挑んだ。西出選手は4勝、山本選手は3勝して32人による決勝トーナメントに進んだ。

西出選手は安定した強さで勝ち進み、準決勝では箕島の2年生選手との和歌山対決を「3年生の意地で勝ち切れた」と寄り切りで制した。決勝戦では埼玉の選手に下手投げで勝利し、大会史上9人目の連覇を達成した。団体戦、個人戦ともに全勝し、「練習でやってきたことをいつもどおりに出せた。連覇を意識せずに一番一番全力で戦えた。うれしい」と笑顔を見せた。

山本選手は8強入りと健闘。初出場となった昨年の64強から大躍進したが、「うれしさよりも悔しさが大きい」と話した。