高松地区防災会に総理大臣表彰 大規模訓練評価
和歌山市の高松地区防災会(石井太郎会長)が本年の「防災功労者内閣総理大臣表彰」を受賞した。地区の避難所となっている高松小学校で年に1度、大規模な防災訓練を行い、継続的に防災体制の整備に取り組んでいることなどが評価された。県内の団体で唯一の受賞となった。
高松地区防災会は災害による被害の防止と軽減を目指して自主的な防災活動に取り組もうと、2000年に発足。防災訓練は08年以降、毎年11月23日に行っている。
さまざまな状況を想定し訓練しており、和歌山大学の学生ボランティアと連携した仮設トイレの組み立てや新型コロナの感染拡大防止を踏まえた避難所運営などに取り組んでいる。昨年の訓練では住民と消防分団が協力して火災現場で使う消防用ホースを延長するなど、地区内の関係機関との連携も見据えて実施した。
22年には南海トラフ巨大地震などを想定した地区防災計画を策定し、23年には訓練の検証結果を基に改正もした。
26日には、石井会長、小泉昌信副会長、事務局の前寿広さんが市役所に尾花正啓市長を訪問。13日に東京都の首相官邸で受け取った表彰状を手に、受賞を報告した。
石井会長(86)は「みんなで力を合わせたので(賞を)もらうことができた。一人ではできなかった」と笑顔。「これを機会にますます発展して一生懸命やる」と力強く述べた。
高松地区に住む尾花市長は「和歌山市にとっても非常にありがたく心強い限り。ぜひこれからも地域のため、和歌山市のためにご尽力いただきたい」と呼びかけた。