公開討論で激論 衆院和歌山1区予定候補

公開討論を行う和歌山1区の予定候補ら
公開討論を行う和歌山1区の予定候補ら

衆議院が解散され、衆院選(15日公示、27日投開票)の戦いが事実上始まった9日、わかやま市民自治ネットワーク(橋本雅史代表)は、和歌山1区立候補予定者による公開討論会を和歌山市の和歌山ビッグ愛で開いた。

1区には、日本維新の会前職の林佑美氏(43)、自民党新人で前和歌山市議の山本大地氏(33)、立憲民主党新人でコンサルティング会社経営の村上賀厚氏(65)、共産党新人で元和歌山市議の井本有一氏(58)、参政党新人で食品販売店経営の林元将崇氏(26)の5人が立候補を表明している。討論会には、林氏が国会のため欠席したが、他の4氏が出席。橋本代表の進行で、各氏は均等に割り当てられた時間で発言した。

人口や所得、財政力などの地域格差に関する政策では、井本氏は、賃金格差により大阪などの都市部に働きに出る人が後を絶たないとし、全国一律の最低賃金の導入を訴えた。山本氏は、県内への産業誘致を進めることが、雇用の増加や子育て環境の充実などの好循環につながると述べた。村上氏は、和歌山は県民の幸福度ランキングが上位だとし、地域の裁量で使える予算配分により、強みを伸ばすことを主張。林元氏は、積極財政により第一次産業への所得補償を行い、ブランディングを進めること、地域通貨の導入などを訴えた。

選択的夫婦別姓制度への賛否では、山本氏は、現行法で旧姓の併記などが可能であり、「すぐに取り組む必要がある段階ではない」とし、林元氏も同調した上で、選択的夫婦別姓を望むのは少数派だとし、「日本という国が崩れかねない」と強く反対。井本氏は、決して少数派ではないと林元氏に反論し、「選択的であるので、やりたい人ができるようにすることが重要」と主張。村上氏も賛同し、「選択肢が多いのが民主主義の基本。議論の余地がないくらいやるべきこと」と述べた。

最も主張する政策では、井本氏は、企業団体献金の禁止などにより金権政治をなくすこと、年金の引き上げ、医療や介護制度の基盤拡充などを掲げた。山本氏は、憲法を根拠とする投票価値の平等の観点から県内選挙区が減り、地方の声が届きにくくなっているとし、憲法改正を訴えた。村上氏は、人を豊かにすることが経済政策の基本とし、最低賃金を引き上げ、個人消費を高めることでGDPの増加につなげるとした。林元氏は、減税の実施、国債発行による積極財政で一次産業への所得補償を行うこと、経済が地域で循環する仕組みづくりを主張した。