農業などで意見交換 ベトナムから訪問団
主にハスを通じて和歌山県の紀の川市と交流のあるベトナム・クアンナム省から人民委員会のファン・タイ・ビン副委員長ら12人の訪問団が11日、市役所を訪れた。相互理解と協力関係を深めるため、農業とハスの互いの現状や今後の交流などについて意見を交わした。
紀の川市とクアンナム省はともにハスを育てていることなどから交流を持っており、2020年1月には文化交流や農業の協力などに関する「友好協力関係の構築に関する覚書」を締結した。以降、ハスや農業に関してオンライン会議や高校生の交流などを続けており、ことし1月には岸本健市長ら7人が省を訪問。締結以降、省から市へ初の訪問となった今回は、省の職員、国会議員、記者が訪れ、市からは岸本市長、川原一泰市議会議長、今城崇光副市長、各部長ら12人が出席した。
意見交換は「農業の現状と今後の協力について」「ハスを通じた交流について」の二つのテーマで行われた。
市農林商工部の西博行部長は、市ではモモ、イチジク、柿、キウイ、ハッサク、イチゴなど果物の生産が盛んであることを紹介。農家の高齢化や担い手不足といった課題を解消するため、県内1位の生産量を誇るイチゴの新規就農者の育成に取り組んでいることも話した。
省側からは「農業を活用した観光を進めるために紀の川市が取り組んでいることはあるか」と質問があり、西部長はモモの購入者を対象に飲食店の利用を促すスタンプラリーの取り組みを説明した。
市建設部の弓場正己部長は、市は2015年4月から、ベトナムからいただいたベトナムハスを同市貴志川町の平池緑地公園で大賀ハスと共に育てていることを紹介。「ベトナムハスは色が濃く鮮やかで多くの市民に親しまれている」と伝えた。
省側は「2020年に紀の川市からいただいたハスを育てているが、花が咲かないため技術を指導してほしいと」と話した。
ファン・タイ・ビン副委員長は農業分野や学生同士の交流も深めていきたいとし「これからも紀の川市とクアンナム省の交流を発展できるように全力で頑張らせていただく」と伝えた。
岸本市長は「農業、文化や教育などの分野で連携強化を通じ、住民同士の交流を促進することで相互の理解を深め、良好な関係を築いていくことが私たちの共通の目標であると考えている」と述べた。
意見交換を終え、訪問団は市産の柿を試食した。