関西パビリオン建物完成 万博で観光PR

建物が完成した関西パビリオンの内部
建物が完成した関西パビリオンの内部

来年4月から開催される大阪・関西万博で、近畿を中心に9府県が共同で出展する関西パビリオンと、大阪府と大阪市が運営する大阪ヘルスケアパビリオンの建物が完成し、23日に関係者に向けた内覧会が開かれた。

関西パビリオンに出展するのは滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重県。「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」をテーマに各府県が展示をする。

総工費は約6・7億円。昨年10月16日に着工し、今月4日に竣工。鉄骨組膜構造で六角形の形をしている。延べ床面積は1877平方㍍。

館内には、126~251平方㍍の展示ブースと半外部の多目的エリアがあり、エントランスを抜けると、中央にはセンターサークルと呼ばれる中央広場があり、吹き抜けになっている。

縦2㍍、全周約40㍍のLEDパネルが頭上をぐるりと囲むように設置される予定で、各府県の美しい風景など観光映像が流れる。

中央広場から放射状に各府県のエリアが並ぶ。和歌山県のエリアは、9府県の中で最大面積の251平方㍍。「和歌山百景―霊性の大地―」をテーマに、「上質な和歌山」にこだわった展示をする。クリエーターに県出身の吉本英樹さんら3人を迎え、「空間 映像 食」を通じて和歌山の魅力を表現する。

紀伊山地の巨木をイメージした高さ4㍍の映像タワーや紀州材を使用したカウンターテーブルを設置。アートな食も提供する。

多目的エリアでは、期間ごとに自治体や事業者などがワークショップの他、地酒、特産品などの試飲、試食会を開く。関西広域連合長の三日月大造滋賀県知事は「ここに来れば関西のことが分かる。関西のパワーを感じに来てもらえたら」と話した。

鳥の巣をイメージ 大阪ヘルスケアパビリオン
水が流れる屋根
水が流れる屋根

大阪ヘルスケアパビリオンは、生まれ変わりを意味する「リボーン」がテーマ。屋根は鳥の巣をイメージし、建物は卵形。膜でできた屋根には水が流れ、水の都大阪を表現、夜間はライトアップされる。

館内は大阪産の木材をふんだんに使用。吹き抜けのDNAの構造から発想を得た、らせん階段が目を引く。全体的に緩やかな曲線の設計でぬくもりあふれる空間になっている。

パビリオンでは、来場者が未来の都市生活を体験できる。25年後の自分のアバターを作り、順に体や心に関するブースを周り体験することで、最後にアバターが変化する。他にも、新技術や食、ステージなどが楽しめる。

この日、引き渡しセレモニーがあり、同パビリオンの建設を担当した㈱竹中工務店の難波正人取締役会長から、公益社団法人2025年日本国際博覧会大阪パビリオンの西澤良記副代表理事へ、パビリオンの鍵を模したプレートの贈呈式やライトアップの点灯式が行われた。

DNA構造から発想を得たらせん階段
DNA構造から発想を得たらせん階段