「つくす」精神を継承 和歌山つくし会70周年

あいさつする谷本理事長
あいさつする谷本理事長

和歌山市と岩出市で幼保園や乳児院などを運営する社会福祉法人「和歌山つくし会」(和歌山市吉礼、谷本美佐子理事長)は10月で創業70周年を迎え、10月26日に和歌山市内で記念式典を行った。法人関係者ら136人が出席し、節目を盛大に祝った。

1954年10月、現理事長の母である故・千鶴さんが和歌山市の城北地区に幼児を保育する私設保育園を開設し、創業を始めた。66年に財団法人和歌山つくし会となり、千鶴さんが初代理事長に就任。69年に社会福祉法人となり、ことしは同法人設立55周年でもある。

式典には和歌山市の尾花正啓市長、岩出市の中芝正幸市長らが出席。谷本理事長は、「福祉は人を幸せにすることを目指していくもの」とし、「社会福祉から取り残される方のないように、創始者が残した『つくす』という精神を理念に今後も継承していくことを誓う」などとあいさつした。

嘱託医として約10年間活躍した平石小児科の平石英三院長と、和歌山乳児院のボランティアとして活動する植田廣子さんに谷本理事長から感謝状が贈られた。

能登半島地震で災害派遣福祉チームの一員として活動した理学療法士の小山有佳乃さんと、重症児や発達障害児の訪問看護に積極的に取り組んだ「つくしの里こども園」は「谷本千鶴賞」、施設に貢献した職員5人と1団体が「つくしっこ特別賞」を受けた。

施設開設時の写真などもスライドショーで映され、出席者全員で70年の歩みを振り返った。

書家の金澤翔子さんが書道を披露し、母の泰子さんは「ダウン症の娘と共に生きて」と題して講演した。