県内42人に秋の叙勲 各界の功労者に栄誉

各界の功労者に贈られる2024年春の叙勲の受章者が3日に発令され、和歌山県関係は56~87歳の42人(うち女性6人)が受章する。受章者の内訳は、旭日小綬章3人、旭日双光章7人、旭日単光章5人、瑞宝小綬章3人、瑞宝双光章11人、瑞宝単光章13人。今回を含めて県内の受章者総数は5145人(うち女性397人)となる。

今月中旬に各省庁での伝達と拝謁があり、総務省、厚生労働省、こども家庭庁、消防庁関係の受章者は県庁で伝達を行う。晴れの受章者は次の皆さん。

【旭日小綬章】
寒川篤(75)元和歌山市議、同市古屋▽中井賢次(73)県建設業協会会長、湯浅町湯浅▽濵口元司(81)元有田市議、同市初島町浜

【旭日双光章】
河島歳明(70)元県漬物組合連合会理事長、和歌山市湊▽髙尾通雄(82)元すさみ町議、同町佐本中▽田中修(81)元広川町議、同町広▽中谷桂三(72)元有田市議、同市宮崎町▽古谷紀男(70)元県労働委員会委員、和歌山市朝日▽南出仁司(71)県歯科医師会専務理事、和歌山市十番丁▽宮本年起(72)元県鍼灸マッサージ師会会長、和歌山市鷹匠町

【旭日単光章】
井川良美(84)元海南市公平委員会委員長、同市重根▽須賀節夫(76)串本町商工会会長、同町串本▽出耒可也(72)県ライフル射撃協会副会長、和歌山市東鍛冶屋町▽野上和久(81)元大彦㈱代表取締役、和歌山市網屋町▽東弘幸(87)元田辺市上大野自治会会長、同市本宮町上大野

【瑞宝小綬章】
佐々木清一(80)和歌山工業高等専門学校名誉教授、田辺市新屋敷町▽藤田清司(70)元智弁学園和歌山高校長、紀の川市貴志川町長山▽山下眞玄(77)元公立高校長、日高川町江川

【瑞宝双光章】
梅本昭二三(76)元公立中学校長、田辺市南新万▽栗山勝典(77)元公立中学校長、有田市宮崎町▽雜賀忠士(75)元県会計管理者、和歌山市紀三井寺▽竹内郁雄(83)元和歌山公共職業安定所長、和歌山市黒田▽玉置健之介(70)元特定郵便局長、日高川町江川▽得津壽美代(73)保護司、和歌山市中之島▽鳥渕利一(80)元公立小学校長、紀の川市桃山町野田原▽中道眞吾(74)元特定郵便局長、串本町田原▽野㞍勝久(70)元特定郵便局長、和歌山市葵町▽道浦令一(83)元橋本市収入役、同市隅田町下兵庫▽宮本清(71)学校歯科医、和歌山市北出島

【瑞宝単光章】
石田節子(73)民生・児童委員、橋本市紀見ケ丘▽上野幸良(64)元広川町消防団副団長▽江神輝信(83)元警察庁技官、和歌山市楠見中▽岡﨑武人(73)元新宮市消防団分団長、同市新宮▽栗山仁美(74)民生・児童委員、有田市宮崎町▽阪本敬一(69)元御坊市消防団分団長、同市藤田町吉田▽津山眞里子(75)元各種統計調査員、紀の川市藤崎▽鳶保好博(69)元海南市消防団分団長、同市名高▽原嗣育(68)元白浜町消防団分団長、同町▽東山洋介(61)元関西電力㈱水力事業本部田辺水力センター電気係長、田辺市秋津町▽古井友久(75)元橋本市消防団団長、同市岸上▽前田典子(56)幼保連携型認定こども園広瀬幼保園副園長、和歌山市栄谷▽吉田雅子(72)元三石保育園園長、橋本市吉原


旭日双光章 宮本鍼灸指圧院院長
宮本年起さん(72)
~和歌山市鷹匠町~

昨日よりも腕を磨く

人間を相手にする仕事がしたいと、裁判官を目指し、桐蔭高校から中央大学法学部に進んだ。父親は診療所を開業した指圧師。跡を継ぐ気はなかったが、たまたま帰省した時、はうようにして来た患者が父の治療でスタスタ歩いて帰るのを見て感動。人の痛みを取り、苦しみを和らげるこの仕事がしたいと、大学卒業後、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の免許を取得。81年に跡を継ぎ、82年に鍼灸指圧院を開設。

「患者を診察していると、同じ腰痛でもメンタル、内臓、使痛みなど原因によって治療法は違う」と一人ひとりとじっくり向き合い、40年以上にわたり丁寧な施術を続けている。

82年に県鍼灸マッサージ師会の理事に就任して以来、学術研修会を開催するなど会員の資質向上に貢献。

また、2003年から13年間、和歌山盲学校の理療科の非常勤講師として視覚障害者の職業教育に尽力した。

社会貢献活動にも積極的に取り組み、特別養護老人ホームなどの高齢者施設を訪問するボランティアでは鍼灸マッサージの施術や、得意の腹話術を披露し、高齢者を和ませている。

今後の目標は「人間の体は一人ひとり違う。日々経験を積み重ね、もっと効果的な治療法はないか追求し、昨日よりも腕を磨くこと」。

受章については「勲章を受けた身として生涯清らかでいなければならないい」と気を引き締め「身を清め 除菌ではなく 叙勲です」と一句詠んだ。