「分からない」楽しんで 湯川さん絵画展
和歌山県海南市出身の画家、湯川雅紀さん(57)の新作の抽象画展が17日まで、同市大野中の画廊ビュッフェファイヴで開かれている。
円形を、面と線と点で一つのキャンバスに描いた0号サイズから、過去最大となる500号の特大作品まで22点が並ぶ。
湯川さんは和歌山大学教育学部美術専攻を卒業後、大阪教育大学大学院教育学研究科美術教育専攻を修了。その後ドイツに渡る。98年に全国の美術館学芸員や研究者などが選出する「VOCA賞」、2008年には同市文化奨励賞、11年に県文化奨励賞などを受ける。現在は、関西福祉科学大学教育学部で教授として美術を教える。
湯川さんは円形でさまざまなものが象徴できると、楕円や円の重なり、つながりを描き、世の中の成り立ちや構造を解き明かそうと絵で追究する。それぞれの作品にテーマは設けていない。
500号の作品は、線で描いた楕円を重ねて立体感を出し、面で描いた円を平面に並べた。針金で円形を作り、重なりをスケッチし、キャンバスに描いていったという。
抽象絵画は理解しづらいというイメージを持たれることもある中で、湯川さんは「分からないと避けるのはもったいない。理解の糸口を探すことで感性が磨かれ脳が活性化する。『分からない』をぜひ楽しんでもらえたら」と話している。
湯川さんは10、16、17日に在廊を予定している。午前10時から午後6時まで。水曜は休廊。問い合わせは同画廊(℡073・482・1994)。