和大生と練習 中学野球の和歌山リトルシニア

中学生(左から4人目)を指導する大学生(同3人目)を見守る小畑会長(同1人目)と大原監督
中学生(左から4人目)を指導する大学生(同3人目)を見守る小畑会長(同1人目)と大原監督

主に和歌山市内で活動する中学硬式野球チームの和歌山リトルシニアと和歌山大学硬式野球部は毎週1回、合同練習を始めた。中学生がハイレベルな大学生のプレーに間近でふれ、選手から直接指導を受けることで、意欲や技術の向上を図る。

近年、野球界全体で指導法が見直される中、創部56年目を迎える和歌山リトルシニアでは選手自身が考え、工夫するための指導法を模索してきた。「選手が目標を明確にすることが大切」と考え、和歌山大学の大原弘監督(59)がチームのOBであり、現在も縁があることなどから合同練習に至った。

合同練習は9月中旬にスタート。主に毎週木曜日の午後4時から7時ごろまで、同市福島の市民スポーツ広場で、中学生と大学生が共に守備に就くノックやバッティング練習などに励む。

和歌山リトルシニアの小畑高準会長(50)は「大学生と一緒なら心折れずに良い緊張感を持って頑張れている。それぞれの練習の目的を理解している大学生が、直接言葉で伝えてくれるのがいい」と話している。

中学2年生の湯川虎冬(たけと)選手(13)は「大学生との練習は楽しい。全力でプレーする姿を見て、自分も全力でしようと思う」と意欲的だ。

和歌山大学はことしで創部から100年を迎え、全国大会にも4度出場。県内唯一の大学硬式野球部として小中学生との合同練習に積極的に取り組んでおり、大原監督は「大学生は人間的な部分を野球から多く学んでいる。責任を持って中学生を教えてほしい」と話す。

同大2回生の佐藤大和選手(20)は「教えることで自分にインプットもできる。教育学部なので子どもとのコミュニケーションの取り方など自分の将来にも生かしていきたい」と笑顔。

小畑会長は「新たな試みも続け、より良い指導を考えていく。入部を考えている新入生にも取り組みを知ってもらいたい」と呼びかけている。