紀州のエジソン迎え 砂山小で学習発表
和歌山市砂山南の砂山小学校(小杉栄樹校長)は3日、全校集会を開き、5年生34人が、同校出身で㈱島精機製作所(同市坂田)の創業者・名誉会長の島正博さんについて学習したことを、島さんや全校児童が見守る中、劇で発表した。
5年生の総合学習、ふるさと学習の一環で和歌山の偉人について調べ、下級生にも分かりやすいように劇で発表。本人にも取材し、事実に基づく内容にした。
島さんは1948年度に同校を卒業。3年前に行われた同校100周年記念式典をきっかけに交流が深まり、児童たちが島さんについて学習することになった。同日、島さんと公益財団法人島財団の大江嘉幸理事長らが来校した。
劇には島さんの小学生の頃のエピソードや、島精機の設立などを盛り込んだ。小学生の頃の夢は発明家だったこと、和歌山大空襲でまちが焼け野原になり、生活は貧しく、野菜を育てて売っていたことなどを紹介。
毎日、生活のために手袋を編むなど苦労する母親の姿を見て、楽にしてあげたいと手袋を編む機械を作ろうと決意し、研究を重ねて16歳で手袋編み機を開発したこと、世界初の編み機ホールガーメントを開発したことなど、児童らは学んだことを伝えた。
劇の後には、島さんが大切にしている言葉「愛・氣・創造」のクイズや歌のプレゼントもあった。「島正博さんが少年時代に作っていない野菜は何でしょう」という問題では、答えの「キャベツ」に正解した児童たちは大喜び。島精機の技術が使われている会社について「アシックス、ニューバランス、ザ・ノースフェイス」と発表があると、聞いたことのある企業名に児童らは歓声を上げていた。
発表を笑顔で見守った島さんは「素晴らしい劇を見せていただいてありがとう。人に対する愛、気合を入れて本気でやる、そうすれば地域地球全体の創造につながる。『愛・氣・創造』を覚えてもらえたら」とメッセージを送った。