共感呼ぶ紙芝居 研究会が魅力を発信

参加型紙芝居で子どもらを楽しませる鈴木さん
参加型紙芝居で子どもらを楽しませる鈴木さん

11月7日の「世界KAMISHIBAIの日」にちなみ、和歌山紙芝居研究会(森勝代代表)は1日、和歌山市屏風丁の市民図書館で子どもたちに紙芝居の魅力を伝えるイベントを開き、参加した約50人の親子を喜ばせた。

記念日は、日本全国と世界55カ国に会員がいる、紙芝居文化の会が制定。

同研究会は「短い言葉で内容が豊かな紙芝居の魅力を多くの人に伝えたい」と2002年に結成された。この日は紙芝居の楽しさ、演じる喜びを学んでいる同会の15人と図書館のスタッフ計18人が、18の紙芝居を披露。合間に手遊びやマジックで盛り上げた。

トップバッターを務めたのは、ことし4月に入会し、人前で演じるのは初めてという、同市の鈴木有紀さん(55)。読み聞かせのボランティアをする中で「木の舞台がある紙芝居は物語をよりリアルに感じることができる」と入会。「ぽん!」とみんなが手をたたくとロボットやおばけが出てくる観客参加型紙芝居『みんなでぽん』を元気いっぱいに演じた。

10月に入会したばかりの御坊市の芝洋平さん(68)は「読み手に注目が集まり、聞く人の反応を見ながら演じられるのが紙芝居の魅力」と話し、子どもたちの声で機嫌が直り、おいしい料理を作ってくれる『ご機嫌の悪いコックさん』を迫力いっぱいに演じ、デビューを飾った。

5歳の息子と参加の40代夫婦は「家で絵本を読み聞かせてもあまり聞いてくれないので、こういう機会に好きになってほしい」と笑顔。親子は真剣な表情で聞き入っていた。

森代表は「紙芝居は絵と言葉で立体的に想像力を膨らませ、共感できる楽しさがある。紙芝居を通じ、子どもたちの心が豊かになり、平和であることの大切さを伝えていきたい」と話していた。