国際理解の書籍寄贈 和東RCが交流協へ

和歌山東RCの片岡会長㊥、県国際交流協会の樫畑理事長(右隣)ら
和歌山東RCの片岡会長㊥、県国際交流協会の樫畑理事長(右隣)ら

多文化共生社会の実現に向け、和歌山東ロータリークラブ(RC、片岡聖佳会長)は9日、国際交流、国際理解に役立つ書籍を県国際交流協会(樫畑直尚理事長)に寄贈し、目録と感謝状の贈呈式が県国際交流センター(和歌山市手平)で行われた。書籍は同センターで閲覧、貸し出しができる。

同RCは昨年、創立65周年を迎え、これまで多様な分野で地域貢献の奉仕活動を継続。国際奉仕の分野では、日本で学び働く在留外国人の増加を受け、日本で暮らしていく上で、楽しい思い出づくりや癒やしにつながる奉仕活動を目指して取り組んでいる。

同協会への書籍の寄贈は、コロナ禍で海外渡航や対面での交流が困難でもできる奉仕をと、2021年度に始まり、22年度に続いて今回が3回目。109冊の書籍が加わり、寄贈の総数は約400冊となった。

今回の書籍の内容は、県内在住の外国人が母語で楽しめるように、ベトナム、タイ、ネパール、インドネシア、ミャンマーなどの言葉で書かれた絵本や小説の他、やさしい日本語でのコミュニケーション、多文化共生、異文化理解の在り方などを学べる本、世界各地の民話や文化などを紹介した国際理解に関する本などとなっている。

同協会によると、県内在住の外国人は昨年6月現在、9572人で、ベトナム人が2051人で最も多い。書籍の言語は、県内在住者が多いもの、増加しているものを中心に選ばれている。

贈呈式には、同RCから片岡会長、栗本信行幹事、樫畑友洋国際奉仕委員長、同協会から樫畑理事長、北山徹事務局長らが出席。片岡会長が樫畑理事長に目録を手渡し、樫畑理事長が片岡会長に感謝状を手渡した。

片岡会長は「在住外国人の国籍なども年々変化しており、国際分野の書籍をさらに充実させることにより、県内の在住外国人、県民の国際理解、国際平和への意識醸成に有効と考えている」とあいさつ。樫畑理事長は3回にわたる書籍寄贈に感謝し、「人が集まる国際交流センターに図書があることは大きな魅力になっている。多文化共生、地域の皆さんが多様性を楽しみ、分断化を少しでもなくしていく社会融和は一貫して大切なことであり、今回の図書が、そのような地域づくりのために大きく役立つと信じている」と話した。