新時代は子どもに頼ろう 尾木直樹さんが講演
「尾木ママ」の愛称で知られる教育評論家、尾木直樹さんの講演会が19日、和歌山市毛見の和歌山マリーナシティホテルであった。「子ども新時代がやってきた」を演題に尾木さんは、さまざまな課題解決に向けて「子どもに頼る、子どもに意見を聞く、というのは一番いい。これが子ども新時代の精神」と話した。
海南東ロータリークラブ(田岡郁敏会長)が、創立50周年記念事業として開催。約300人が来場した。
講演では、こども基本法が2023年4月に施行され、こども家庭庁が発足、政府が「こどもまんなか社会」を目指していることなどを紹介。時代が変化する中、今後の社会はどうあるべきか、おなじみの物腰柔らかい口調でユーモアを交えながら話した。
尾木さんは、コロナ禍は子どもたちの心に大きく影響を与えたこと、うつ症状や不登校、自殺者が増加しているなどの現状を報告。SNSの影響で、人と比べてしまい、自己肯定感が低い子が増えているとした。
思春期の子どもへの向き合い方については「うまくいくこつは、大人扱いをすること。一人前の人格として認めること」とアドバイス。子どもたちを主役に、声を聞くことを家庭内にも取り入れ、「あなたはどう思う?」と問うことが重要だとした。
また、これからのAI(人工知能)時代を生き抜くには「IQ(知能指数)よりもHQ(人間性知能)が大事」と断言。人間性を高めるには、芸術や音楽などアートの力が大事になってくると話した。