県内2校に春切符 智弁、市高センバツ出場

出場決定を喜ぶ智弁和歌山の選手たち
出場決定を喜ぶ智弁和歌山の選手たち

第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、阪神甲子園球場)の出場32校が24日に発表され、和歌山県内からは智弁和歌山と市和歌山の2校が選ばれた。智弁和歌山は2年ぶり16回目、市和歌山は3年ぶり9回目。県勢が2校出場するのは、昨年の田辺と耐久に続いて2年連続となる。

智弁和歌山の選手25人はグラウンドに集まり、1台のタブレットを囲みながら出場決定の知らせを待った。校名が呼ばれると、静かに喜びを分かち合った。

同校は県下新人戦の決勝で和歌山東を13―0で圧倒し堂々の優勝。昨秋の近畿大会では準優勝を収めるなど着実に実力を示し、昨夏に続く2季連続での甲子園出場となった。

主将の山田希翔内野手(2年)、エースの渡邉颯人投手(同)、最速152㌔を投げる宮口龍斗投手(同)ら1、2年生9人は、初戦敗退を喫し、涙をのんだ昨夏の甲子園をメンバーとして経験している。

山田主将は悔しさを糧にトレーニングに励み、体重を70㌔から80㌔まで増量。「この春こそは日本一を」と力強く意気込んだ。

渡邉投手は精密な制球力と多彩な変化球が持ち味。一方、宮口投手は強力な球威が武器だ。「後ろには宮口がいる」と渡邉投手、「抑えでも自分の仕事を全うする」と宮口投手。互いの信頼は厚い。

近畿大会準決勝で2打席連続アーチを放った福元聖矢選手(2年)は「3年生の夏の思いも背負ってバットを振る」と話し、チームに流れを引き寄せるプレーに期待がかかる。

中谷仁監督は出場決定について、「うれしいと同時に身が引き締まる思い」とし、「日本一を目指して一戦一戦戦っていきます」と決意した。


帽子を投げて甲子園出場を喜ぶ市和歌山の選手たち
帽子を投げて甲子園出場を喜ぶ市和歌山の選手たち

市和歌山の野球グランドのベンチで部員46人らは、緊張した表情でインターネット中継での出場校発表を見守った。選考理由や他校の発表を静かに聞き入り、笑顔で出場を喜び合った。

捕手としてもチームをまとめる川辺謙信主将(2年)「実際発表されてとてもうれしい。ベスト4以上に入りたい。いろんな方の協力で出場できたので、甲子園の大舞台で熱い戦いをしていきたい」、半田真一監督は「ピッチャー中心に守りから攻撃につなげるチーム。派手な野球ではないが、しっかりした野球で一戦一戦勝ち上がりたい」と抱負を話し、「昨秋からフィジカルだけでなく、メンタルにも力を入れてきた。『負けたら終わり』の中で勝ち上がるには、技術だけではない部分もある。チーム力や粘り強さを練習でつけていきたい」と話した。

同校は昨年、新チーム結成後初となる新人戦初戦で初芝橋本に敗れ、秋季近畿地区県予選で一次からのスタートとなった。しかし、耐久、田辺などを破り二次予選に進出、昨年10月の近畿地区大会に県代表として出場。準々決勝で立命館宇治(京都1位)を圧倒し、6回コールド勝ち。4強入りを果たした。


岸本周平知事

選手の皆さんは、歴史ある「野球の聖地」阪神甲子園球場でプレーできることに胸を躍らせていることでしょう。夢の舞台で躍動する皆さんの姿が見られることを大変うれしく思います。

努力を重ねてきた自分を信じ、苦楽を共にした仲間を信じ、ベストを尽くして頑張ってください!


宮﨑泉県教育長

常に切磋琢磨(せっさたくま)し、互いを高め合う両校を同時に夢の甲子園球場で見られることが大変楽しみです。選手の皆さんの不断の努力と成果に敬意を表するとともに、心から健闘を祈ります。

今後の人生の大きな財産となるよう、精一杯プレーしてください。