ベニーが生きた証しを はく製化へ寄付募る
![寄付を呼びかける川島代表㊧と後藤千晴事務局長](https://wakayamashimpo.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/25020901.jpg)
昨年7月に旅立った和歌山城公園動物園の初代園長・ツキノワグマの「ベニー」。その生きていた姿を後世に残したいと、はく製および骨格標本の作製を目指し、募金とクラウドファンディングでも寄付を募るプロジェクトが進められている。
企画したのは同動物園を応援するボランティア市民団体「わかやまフレンZOOガイド」。2011年に設立し、動物ガイドや環境学習会などのイベント開催、園内の整備などを市と協働で実施してきた。18年以降、活動を休止していたが、ベニーの死をきっかけに活動を再開。ベニーの生きた証しと命の大切さを地域の人と共有したいと、市と協議を重ね、ベニーの遺体を譲与され、このプロジェクトを立ち上げた。
はく製や骨格標本の作製に必要な目標金額は120万円。完成後は安全に保管し、博物館など誰もが会いに行ける場所に寄贈する。
同団体の川島寛昭代表は「みんなベニーの前を通ると、中を覗き、声をかけるのが当たり前の光景だった。呼びかけると振り向き、機嫌の良いときは鳴き声で反応してくれた」と振り返る。
同プロジェクトではベニーの姿を残すことで、これからも市民とつながりを持ち続け、命のはかなさ、大切さを伝え、野生動物保全への意識向上などにつなげたいとしている。
川島代表は「ベニーは1994年の来園以来、31歳でその生涯を閉じるまで、私たちにたくさんの思い出を残すとともに、学びを与えてくれた存在。みんながはく製を通じて、いろいろなことを考えるきっかけにしてもらいたい」と話している。
寄付は同公園に設置の募金箱か、クラウドファンディングサイトで3月15日まで受け付けている。詳細は同団体事務局長の後藤さん(℡090・6729・8978)。