新理事長候補に楠木さん 日本身体障害者野球連盟

NPO法人日本身体障害者野球連盟の新理事長候補に、和歌山市の楠木祥瑞さん(58)が推薦された。全理事で協議し全会一致の承認があり次第、理事長に就任する見通し。これに伴い、楠木さんは事務局の運営を支えるボランティアスタッフを県内から募集している。
同連盟は1993年1月、身体障害者野球の普及と振興を目的に設立。「この野球を未来の障害児童たちに」を理念に掲げて活動している。
㈱あきんどスシローやENEOS㈱、ゼット㈱などのスポンサーの協力のもと、世界大会や全国大会をはじめ、障害があっても野球ができる環境づくりに力を注いでいる。
今回のボランティア募集に定員や締め切りはなく、業務内容は大会運営、広報、事務作業など多岐にわたる。応募者の適性や希望に応じて分担され、リモートワークも可能。全国各地の大会やイベントに同行できる人を歓迎する。活動に必要な交通費などは支給される。
楠木さん自身、脳性まひによる左上下肢と体幹の障害がある。幼い頃から野球が好きで、少年野球チームに入ろうとしたが、「ついてこられないからやめとき」とあしらわれ、小中学校では野球をすることを諦めざるを得なかった。
しかし、高校入学後、甲子園で活躍する球児の姿を見て「野球をしたい」という思いが再燃。高校2年生17歳の時に身体障害者野球チーム「チャレンジャーズ」(現・ヤマト和歌山)を創立。26歳で同連盟の立ち上げに関わり、以来30年以上にわたって活動を続けてきた。
「一般の野球から排除されたことは今でも忘れられない」と悔しさを見せ、「車椅子だろうが何だろうが、誰もが好きなことで輝ける社会にするために活動していきたい」と話し、そんな思いに共感してくれる人を募集しているという。
応募や問い合わせは楠木さん(℡090・1676・9048、メールyamatowakayama.s-kusuki@maia.eonet.ne.jp)。