より良い地域社会へ 花王がNPO団体に助成金

助成を受けた7団体の皆さんと大島マネジャー(中央)
助成を受けた7団体の皆さんと大島マネジャー(中央)

花王㈱のグループ社員による寄付組織「花王ハートポケット倶楽部」は、和歌山を元気にしようと取り組むNPO・ボランティアの7団体に助成金を贈呈した。

同倶楽部は3000人を超える社員が会員となり、社会課題の解決に取り組む団体や、社会貢献活動に関わる支援、広域災害発生時の緊急支援などを実施している。

今回の助成は、同社の事業場がある栃木、和歌山、茨城で活動する団体を応援することで、より良い地域社会づくりへ寄与しようという取り組み。

和歌山では2008年から地域貢献活動応援基金「わかやまいきいきファンド」として、設立2年以内の団体に「スタートアップ支援」として5万円、設立2年超の団体に「パワーアップ支援」として10万円を助成している。助成先は社員が投票して決定。これまで120を超える団体が助成を受けている。

今回選ばれたのは、スタートアップに4団体、パワーアップに3団体。このほど和歌山市の和歌山ビッグ愛で贈呈式が行われ、社会貢献部の大島弥生マネジャーが各団体の代表に目録を手渡した。

スタートアップ助成を受けた「からふる~みんなの居場所」(岩出不登校居場所プロジェクト)は、昨年から岩出市で月に2回、子どもたちが自由に過ごせる場を運営している。

代表の橋本二郎さんは、「小中学生の不登校生徒は増えていて全国で34万人、岩出市では200人以上いる」とし「何をしてもしなくてもいい。過ごし方は自分で決めていい。学校でも家でもないホッとできる場所をつくって子どもたちが元気になるチャンスをつくりたい」と熱意を伝えた。

パワーアップ助成を受けた和歌山市のRoot's和歌山は、21年から障害のある子どもたちのスポーツによる療育・交流事業を実施。23年から障害児と健常児が一緒に楽しめる場として和太鼓を取り入れた活動に取り組んでいる。

代表のブラウン恵津子さんは「できないと初めから諦めるのではなく、『とりあえずやってみよう』と思える居場所づくりに今後も力を入れていきたい」と笑顔で意気込んだ。

大島マネジャーは「他では聞いたことのない活動がたくさんあり、すごく魅力的でした。今回選ばれたのは子育てに関するところが多く、和歌山県は子育てへの関心がすごく高いエリアだと思いました」と話した。

その他の助成団体、主な活動内容は次の通り。

【スタートアップ】和歌山心不全アラート(和歌山市)=心不全のリスクとその管理の重要性の啓蒙活動▽Happiness Kids Labo(同市)=人権意識の向上と自己実現のための活動▽やっチャレンジ紀の国プロジェクト(同市)=子どもたちのチャレンジを応援

【パワーアップ】manma place(同市)=未就学児を対象とした野外保育活動▽森のとしょかん開設▽子育て応援実行委員会(同市)=出産・育児の孤独感解消イベント実施

大島マネジャー㊨から目録が手渡された
大島マネジャー㊨から目録が手渡された