菓子業界の飛躍願い 橘本神社で春の大祭

祝詞を奏上する前山宮司
祝詞を奏上する前山宮司

ミカンと菓子の神様である「田道間守命(たぢまもりのみこと)」を祭る橘本神社(和歌山県海南市下津町橘本、前山和範宮司)で6日、春の大祭「菓子祭・全国銘菓奉献祭」が行われた。

同神社のある同地区に、田道間守命が中国から持ち帰ったとされる橘が日本で最初に植えられたことから、ミカン発祥の地とされる。昔の人は橘を菓子として食べており、同神社は、ミカンと菓子の神様として親しまれている。

大祭には、全国から製菓企業の代表者ら約100人が参列。全国の菓子業者203社以上が和菓子や洋菓子などの菓子を供え、菓子業界の発展などを祈った。前山宮司が地元産のデコポンや紅白のおぼろまんじゅうなどを神前に供え、祝詞を奏上し、みこが「浦安の舞」を舞い、参列者は玉串をささげた。

ことし5月、北海道の旭川で全国菓子大博覧会が開かれ、期間中、田道間守公をお祭りすることや、大阪・関西万博においても多くの菓子メーカーが協賛することから、前山宮司は「ことしはお菓子業界の節目で飛躍の年。業界の発展と繁栄を祈願した」とあいさつした。

奉献祭に参列した、フルタ製菓㈱の古田盛彦代表取締役社長は「ことしはお菓子の大きなイベントが二つあり、和や洋、駄菓子などさまざまな業界が集まる。力を合わせて成功させたい」と話した。

神前に供えられた銘菓は祭典終了後、おさがりとして社会福祉団体に寄贈される。奉献祭の後は、餅とお菓子がまかれ、境内に集まった人は福を求め、餅やお菓子を手に入れていた。