ぶらくり丁にワインバル等 ベニヤビル再生

和歌山市のフォルテワジマ近くにある4階建ての元かばん店「Beniyaビル」が、5月初旬に生まれ変わる。1、2階はワインバル、3、4階は宿泊施設となり、ぶらくり丁周辺の新たなにぎわい創出が期待される。
手がけるのは、同市の不動産会社㈱和み(古田高士代表取締役)。ことし2月に市から県内で民間企業初の空家等管理活用支援法人に指定され、第1弾として同ビルを再生する。
同社は、不動産会社として空き家再生を通じた地域の活性化を目指し、これまでにさまざまな取り組みを行っている。
2023年には県内初の不動産ファンドの手法を用い、元うなぎ屋の「いづもや」をリノベーション。和歌山の食材と発酵食をコンセプトにした居酒屋として再生させた。
同社の古田代表取締役(44)は「膨大な数の空き家を1社の力で何とかするには限界がある」とし、今回手がける「Beniyaビル」には、自社の不動産クラウドファンディングサービスを用いている。設計デザイン、工事、店舗開業は地元業者に協力を依頼し進める。
同サービスはインターネット上で投資し、不動産から発生する運用益などを分配する。法人も個人も投資可能で、期間中(今回は2年)の年1回、金銭的な利回りと、ワインバル、宿泊利用、福利厚生などのサービスのリターンがある。
空き家再生に不動産ファンドを活用することで、地域の人たちだけでなく、今は県外に住む県出身者もふるさとを応援できる。協力者に還元もでき、関係人口も増え、経済の活性化にもつながる。古田代表は「空き家再生は1軒だけでなく、市の中心地や紀南など、みんなで協力して面で広げて関係人口を増やしていきたい」と話す。

ワインバル「ベニー」(仮称)と宿泊施設は、設計を和歌山市でゲストハウスRICOを運営する一級建築士事務所蝸牛舎の宮原崇代表、リノベーション工事は、同市古屋の喜笑㈱の西川隆基代表、フードメニューなどの開業アドバイザーは源じろう㈱の半田雅義代表取締役が担当する。
半地下メゾネットタイプの店内で、地元の鮮魚や調味料などを使ったメニューが楽しめる。
宿泊施設は、フロア貸しとなっている。北欧モダンをイメージしたデザインで、広さは約50平方㍍。ダブルベッド2台と、キッチンやトイレ、シャワーを設置する。和みの永田大樹マネージャー(29)は「地元のものを使うことで生産者ともつながり、関係人口が増える。和歌山は歴史や観光、食材地域資源がたくさんある。この場所が多くの人でにぎわう場になれば」と話している。
クラウドファンディング「Beniyaビル再生プロジェクト@和歌山市」は、アセットコンパスから。締め切りは5月31日午後6時。