新たな伝統を 合併新設の紀美野中学が開校

昨年度末で閉校した和歌山県紀美野町の2校(野上、美里中学校)が合併し、本年度開校した紀美野中学校(同町下佐々、喜多智英校長)の開校式が8日、同校であった。生徒たちは新たな伝統をつくることを誓い、思い新たにスタートを切った。

3年生39人、2年生52人、1年生39人の計130人となり、同町で唯一の町立中学校としてスタート。式では、新しい校訓や校章、校歌などが紹介された。
校章は、旧野上町出身で和歌山信愛女子短期大学学科長、教授の井澤正憲さんがデザイン。黄色と紺色を基調に、川のような緩やかな曲線や星などが描かれている。井澤さんは「美しい谷の町、豊かな自然をテーマに、自分自身を大切に大きく翼を広げ羽ばたいてほしいという願いを形にした」と話した。
校歌は、作詞を元県教育庁学校教育局長の岸田正幸さんが、作曲を旧美里町出身で作曲、編曲、指揮者の恩地孝幸さんが担当した。
3番まであり、岸田さんは、町を回り、ふるさととメッセージを合わせた歌詞を盛り込んだといい、「生石の峰」や「み佐々が原」「星が降る」など、ふるさとを感じる言葉や、「ともに歩もう助け合い励ましあえる友がいる」などのメッセージを込めた。
また、「いのち輝く」、「笑顔あふれる」など地域の人が、両中学の校歌で残してほしいと希望した言葉も多く取り入れ、岸田さんは「地域の人が残したい言葉をできるだけたくさん入れたかった。分かりやすい言葉でのメッセージや学校のあるべき姿を盛り込んだ」と話し、恩地さんは「記憶に残るよう、歌詞とすり合わせて楽曲を決めた。ずっと歌ってほしい」と話した。
そして、ピアニストの吉川千智さんと、ソプラノ歌手の谷川あおさんにより校歌が披露された。生徒会長の田渕佑樹さんは「仲間を思いやる気持ちや個性を認め合う気持ちを忘れず、お互いを高め合える環境をつくり、新しい歴史と伝統を築いていきたい」とあいさつし、「校歌を聞いて、紀美野の良いところが全部入っていると感じた。笑顔で楽しく過ごせる学校にしたい」と話した。
喜多校長は「校訓の「愛」(世界の中で)「和」(集団の中で)「真」(個人として)の三つを柱に生徒を支えていく。未来をつくるため全力を尽くす」とあいさつした。