陸上競技の実業団発足 原華澄選手に期待

DEEP JAPANに入団した原選手
DEEP JAPANに入団した原選手

イベント設営、企画、運営を手がける㈱DEEP JAPAN(和歌山市神前、古川義高代表取締役)が、陸上競技の実業団チームを新たに立ち上げた。チームの第1号選手として入団したのは、大阪府泉佐野市出身で大学時代に日本インカレ800㍍3位、1500㍍5位などの実績を持つ原華澄選手(23)。原選手は「和歌山は自然豊かないい所でどこででも走れる。何歳になっても体が動く限り、ここで走り続けたい」と抱負を語る。

練習に励む(右から)古川代表取締役、原選手、片山選手
練習に励む(右から)古川代表取締役、原選手、片山選手

チームの代表兼監督を務める古川代表取締役(47)も、小学生の頃に400㍍で日本3位に輝いた経験などを持つ実力者。「和歌山では競技を続けるための環境が限られている。地元の子どもたちが、和歌山でも夢を追いかけられるような場をつくりたい」と実業団を設立した。

原選手は大阪体育大学浪商高校、大阪体育大学を経て、昨年は愛媛銀行(愛媛県)の実業団チームに所属。愛媛県選手権の800㍍と1500㍍で優勝するなど活躍を見せた。新天地となるこのチームへの入団に「私は信念を貫く性格なので、自分が納得できる環境で競技を続けたいと思った。ここでは選手としても社会人としても大きく成長できると感じた」と話す。

3月上旬からは、紀三井寺公園陸上競技場などで地元の子どもたちと一緒に練習をしており、「子どもたちの相談にも耳を傾けながら、元気を届けられる存在になりたい。目標にしてもらえる選手を目指す」と意気込む。一緒に練習をしていた中学2年生の片山伊織選手(13)は「しんどい練習も楽しそうに取り組んでいて、学ぶことがたくさんある。私もあんなふうになりたい」と笑顔で話した。

原選手は今後、同社から練習環境や遠征費、大会登録費などのサポートを受けながら、さまざまな大会に挑戦する。「自己ベストや県記録の更新を目指し、子どもたちや和歌山の陸上に貢献できればうれしい」と力強く決意した。